頭がぼんやりするらしい。
この浅井京介は浅井興業の伝手で紹介された精神科(秋元先生)に通っているみたいだな。ついでに、浅井は「あざい」と読むらしい。
声優さんがあえてそう聞こえるように言っていたのかと思ったが「あざい」なのね。
記憶が所々抜け落ちているらしく、そのことを主治医に相談したところ、納得されたようである。私が冒頭で書いたことが点と点で繋ぎ合わせることになるのか。
東区のスキー場を兼ねたレジャー施設の開発計画。
山王物産が大元となり開発を進めていた。要するに土地の買い占めだ。レジャー施設を開発するにはそれだけ多くの土地が必要となる。しかし、みんながみんな、はい、そうですか、と言って土地を手放すとも思えない。先祖代々より受け継いできた土地を持った人もいるかもしれない。他の誰かに土地を明け渡すのは抵抗がある人もひるのかもしれない。よりにもよって、椿姫の家もそういう土地を譲る気はない人たちであった。
だが実を言うと、裏で手を引いているのが、魔王。
魔王は、闇の道をひた走る浅井興業と清廉潔白な山王物産の間を取り持つ人のような気がした。
夜な夜なその日にあった出来事を「単語」で書き留めていく。それをメールソフトで自分宛てに送信した。
「かわいいぼうや」と聞くと腐果の濡獄を思い出すじゃんかw
逐一あったことを日記として記憶しておくことからも、魔王と名乗る人物は若しかして椿姫なのかもね……(多分違う)。
抜けているところもあるし、いくら女性にも出せる中世的な声が特徴的だと言われているが、ハルを翻弄する程に頭の切れる人物かつ記憶が途切れ途切れになるのであれば、あの人物しか今のところは考えられないが果たして……。
利勝は、京介の実の親で、山王物産の商社マンをしていたそう。友人の連帯保証人になり、当然のように逃げられ借金はすべて連帯保証人である鮫島利勝の元に請求が来る羽目になる。そこで、彼は自転車操業をしたが遂に、闇金融に手を染める羽目になってしまう。
京介は、実の親や権三を心のどこかで憎く思っていた。対して椿姫は、あまり大した思い出とかは無くても父親は父親だし大事にしないといけない。父親の言うことは絶対という、今の若い人にあまり見られないようなことを平気で言う。そのこともあってか、金で動かない人はいないと豪語する彼は、椿姫を心ではよく思っていない。どうしても、それが嘘っぱちに聞こえるからだろう。京介は、事の道理が分かっている。よく分かりすぎるがゆえに、人を疑いすぎるきらいがる。今までもそうなんだろう。金があると分かると、手の平を返したように態度を一変させ自分に媚びる風体を見せつけられたりもしたのだろう。そういうことも重なって、彼の歪んだ、金に関する意識が芽吹いたのだろう。
「魔王」は広明(椿姫の弟で末の子)を誘拐することで、地上げ屋の一件を片付けた。京介にとって、知らず知らずのところでことがトントン拍子に片付けられていく。ランサムウェアのように、身代金を要求する。しかし、椿姫の家にはそんなお金などない。ましてや子供を5人も育てている家庭なら火を見るよりも明らかである。土地の売却。椿の家には果樹園がたくさんあり、それを担保に入れる。担保に入れるということはその土地は椿姫の家の財産で無くなることになる。売却したお金で身代金を作るというもの。
当然椿姫の家は、別の家を探すことになる。
山王物産の子会社、白鳥建築の下部が大暴落している時期を見計らい、身代金である5000万円分の株式証券を要求した。暴落の時を待っていたということは、株は価値を落とし、大損することになる。ということは、金が目的なのではなく、椿姫を不幸な目に遭わせること、すなわち、前述のことを引き起こす。
広明のことなどは、毛頭考えていなかったのだ。
タイミングが良すぎるし、「魔王」が何やら糸を引いているとしか思えない。秘密裏に行ってきた山王物産と「魔王」の取引が、表に出たか。或いは、あえて「魔王」がそうしたのか。リゾート計画の地上げ屋として実は、裏の浅井興業と繋がっていたと判断すれば株主は株を売却する…のか?もしくは、実のなる木である白鳥さんを自分の奴隷のように扱うことにより、浅井興業のためになると思っての算段なのか。
結局犯人の目的が分からぬまま、広明はひょっこり顔を出してきた。
しかし、解決するまでに、椿姫とハルの間に大きな亀裂が生み出される結果となった。警察を頼るか否か、身代金を奪われてしまったことに対する贖罪の意味を込めて、ハルにできることを精一杯するのだが、それが裏目に出たのだった。
双方にとって、
- 自分が最善の選択と思っていても、それが仇となること
- 相談する相手を間違えると敵に塩を送る羽目になること
が分かり。椿姫には
人を疑わないで済むということは、人間関係の苦痛から逃れるためには最適だが時々それが仇となること
それがなんとなくだがわかってきた。
ハルは、偽物のように弾けたような笑顔を浮かべる椿姫に
椿姫が疲れていると、家族も……そう、まるで鏡のように元気をなくしていくんじゃないですかねえ
と言った。口喧嘩をしたとはいえ、仮にも友人だった人。その家庭を慮っての言葉。そもそも友人と呼べるくらいにならないとそういう喧嘩は起きないよね……。
家を売り払うことになった椿姫の家は遂にほころびを見せ始める。
大黒柱を支えていた母の病気により、家事全般はすべて椿が引き受けることになった。家を売り払うことで忙しくしている父親の隙を掻い潜り夜のスーパーに出かけていた弟に対してももはや抱きしめる行為は無く、ただ叱りつけるだけであった。
浅井と釣り合う女になるため、高いものに手を出す椿姫の心を察するに何としても浅井をハルに取られてはいけないと自分を鼓舞していると思った。次いで、家を追い払うことに対する空虚感みたいなものが感じ取れた。
そう……なら私も、気にしないから……
偽りの自分から本来の自分に変身できたのか。
まぁ確かに、男と付き合うと良くも悪くも女の性格というのは豹変するとよく聞く。まるで今までの価値観を打ち壊すかのように、どっぷりとどす黒いはけ口が雪崩れ込んでくる。
それは、京介の仕事の手伝いをする前に、保育園が終わったら公園で待っているからね、と広明と約束した。結局帰宅したのは夜更けになる頃であったのだが、広明は、ずっと待っていたのだ。純粋無垢である。その純粋無垢さは、まるで椿姫と同じように、人を疑うことを知らない子と思った。
初めこそ、彼に対する憎悪が芽吹いてきたが、かつて鏡の中で見た姿を思い出してからなのか、自分の過ちを忸怩たる思いで泣きじゃくった。
家族団らんのシーン。そこには椿姫の家に「家族」として迎え入れる温かい家庭の姿があった。
こういう家族団らんの場があれば、相談できる人がいれば、少しは変わったのかもしれない。
園田組が差し出した精神科の医師ではあるが、秋元先生もいることだし、何より自分のことを頑なに信じ続けている椿姫もいることだし、もっと信頼すればいいのに(僕もこういう立場に置かれるとまぁたぶん京介のように悪の道にひた走る存在となるだろう…w)。過去と今はそう簡単に区別できるものではなく、今という時間が過去に変わっていくのだから、心を閉ざしてしまっても無理はない。

「寂しい子」
その一言で解き明かせるほどの人物かと思ったが、まぁ確かにそうだ。
金で物を言わす極道で生きる権三と家族団らんを手に入れた椿姫の住む世界の開きが桁違い。
その差こそがこの椿姫編では、重きを置かれていると思う。
7人家族であるが、仲睦まじく暮らしていた。生まれながら家は農家であり、困ったときには御金を工面してくれる人もいた。皆が平等に幸せに暮らせたらいいのに、と漏らす椿姫とは異なり、京介は一言では、ガチャに失敗してしまった。
ひもじい生活を強いられる中で会得したことは「金という絶対的な権力には誰も抗うことはできない」だった。
貸与する側とされる側には大きな溝があり、早くお金を貸す、いわゆる資本本主義社会における勝ち組とならねばと決意をした。
しかし、権三に媚びるということで金は、手に入るものの進んでも地獄、退いても地獄という、どん詰まり状態であった。
この対比の味が絶妙であり、資本主義の根本っていうのは金がある者が正しいことに改めて気付かされました。最後の4時間ほどはほぼノンストップ状態でした。
おかげで金曜の深夜(実質土曜)は丸々エロゲで埋まった…(ただいま牛前4時)。
どうせならこのまま上げちゃおうかと思ったが予約記事に放り込んどくか……。

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