ムーン・ゴースト (Purple software) 【感想】

エロゲパープルソフトウェア

凌辱ゲームの後は、ムーンゴーストで癒されよう……。
初のパープルソフトウェアのゲームですね。

パッケージ版を購入

プレイ時間:10時間
攻略:エンディングまで一直線
ジャンル:月の上に刻む、庭園の記録ADV
発売日:2024年10月25日(金)

曲名ジャンル歌手
葬送の旋律主題歌紫咲ほたる

ストーリー

ストーリー(詳細)

『ようこそ人類の幽霊の皆様、月面基地13“庭園”へ』

西暦2199年。
科学の進歩はついに、アンドロイドに人間の魂=“幽霊”を観測させた。

幽霊の後悔や未練を解消し、魂を救う役割を与えられた
心優しいアンドロイドたち。

アンドロイド知性の教育課程にあった主人公・ダアトは、
月面基地“庭園”で目覚め、その仕事に就くことになる。

この物語は、
心優しいアンドロイドとワケあり幽霊たちの触れ合いと。
人知れず始まっていた世界を滅ぼす鐘の音を追うお話。

キャラクター

キャラクター(詳細)

セフィラ・ダアト

主人公でありヒロイン。
アンドロイドとして活動を始めたばかりの人工知性。
まっすぐで温和な性格。プチツッコミ体質。
特定の性別はなく、男女のボディを使い分けている。
懐古趣味で20世紀の映画や娯楽作品が大好き。

「世界をよりよくするために、ボクは活動したいです」


セフィラ・ビナー

メインヒロイン。
2109年に製造された古いアンドロイド。
性的奉仕を目的としたセクサロイドとして商業販売され、
幽霊を認識した最初のアンドロイドでもある。
穏やかでおっとりした性格。ボケ気質。

「やはり、愛情は性行為でお伝えするほうがよろしいでしょうか?」


人類代表

100億人の地球人類の代表。
ダアトとビナーへ人類の意志を伝える窓口。
現在の人類はすべて仮想現実に入っていて、
脳を並列化している。
知性の怪物であり、マスコットでもある。

「我々は意地汚いのですよ」


マリア・ベルナール

成仏できない特殊な幽霊のひとり。
2013年にフランスで病死した女性。
人形職人であり、人形愛好家。
ポジティブでサバサバとした性格。

「執着というか、自分で言っちゃうけど性癖ね」


佐藤姫子

成仏できない特殊な幽霊のひとり。
2029年に日本の北国で自殺した女学生。
はすっぱで中性的な性格。
他の幽霊が人影でしかないのに対し、彼女だけが
生前の姿を完全にたもっている。

「君と出会えて、よかったよ、ダアト」


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感想

魂とは何か?
アンドロイドにも魂は存在するのか?人間の魂も神からプログラミングされたものではないのか?等々、一口に「Yes/No」では答えられない問いに考えさせられました。
死を恐れる姫子は立派な人間だよ。

ダアトのアンドロイドとしての知性の獲得にも目が離せない作品かな。

人類代表という概念は登場するが、人間自体が存在しないことは、そこに悪意というノイズが入らないようにしたのではないか。
100億人の1人5%だけの意識を提供する代わりに暇を持て余すのでダアトたちを監視している。そんな知性を集合させた、いわば知性集合体ともいえる存在。


葬送の鐘が鳴り響く。
それは、「セフィア・ダアト」が2199年に発生させた宇宙規模の災害のことと記録されるものだった。
ひとたび葬送の鐘が鳴ると、アンドロイドや人は生きるために必要な機器や臓器が停止することになる設定なので甚大な被害は避けられない。
人の営みでさえ、通常通りに行えなくなるといった被害等、数えればきりがないほどだ。

だが、そんな文字だけを見れば暴虐非道なことを行いをしたダアトにビナーは

[真面目でしたが、あまりアンドロイドらしくない豊かな感情を披露される、可愛ら
しい愉快な方でした」

と評価した。


そしてA.D.2199

宇宙開発への第一歩としてセフィラ計画が実施されることになるわけだが、ダアトはその計画のために作られたアンドロイド。
セフィア計画に参加するための最終審査に合格しなければならない。つまり、その審査に合格しなければ、存在価値そのものが失われてしまうことになるのではないか……?

  • 最終審査の場所

元は人類の雇用・娯楽施設・各宗教の礼拝施設もある13番目の月面基地で行われた。

  • 最終審査の内容

色んな訳があり、成仏できなかった幽霊の救済。
魂の救済ともいうべきもの。

本作に登場してくる幽霊はマリアの他に3人の幽霊が名前有りとして存在している。
他にも幽霊はいたがどれも自分が死んだと分かると否や消えていった。

谷垣 八重

子は親を選べないことを痛感した。

ネタバレ

両親から執拗な虐待を受け、徐々に精神的・肉体的に弱っていった、幼くして死亡したのは頸を絞められたためだ。
自分の世界を持っている人なら自分の世界に籠ることや、他人に助けを求めることも考えられたが、幼かった彼女にとって親は世界そのものである。その故、愛してくれる存在がなぜ八重に暴力をふるったのかの疑問が解けないので成仏できなかったのではないかと思った。

しかし、直接両親に直談判に行くことができない(彼女が無くなってから100年以上経過している)ので彼は、自分の頸を締めてもらうことで、両親の取った行動そのものを踏襲してもらうしかなかった。そうすることで、八重が親のとった行動を経験し、理不尽にも命を奪われるという悲しみを経験という宝物を手にして、彼女は心安らかに成仏していった。

この子が受けた仕打ちの苦痛は計り知れない。
アンドロイドは知識は膨大だが、その仕打ちに対する感情の起伏はアンドロイドの反応でもあるし、やや、現実の人間すらもそれに思えて仕方ない。
実際に経験しなくても我々には言葉があり、知識や心から共感すれば救いになるし、その言葉を使えば、世界の情勢がどうなっているのかもおおよそ把握できる。
ただ、言葉は簡単に人を裏切ることを忘れずに……。

ドミニク・ハイデマン

1944年、第二次世界大戦下のドイツ兵であった彼は、もうドイツの戦況がかなり悪いと思っていた。勝つと思っているのはベルリンのみだと意見を持っていた半面、戦争に行かねばならなかった。その無念が幽霊になるための火蓋なのかと思ってみたら別段、国を思ってのことではないようでしたので、無念さは一体どこから来るのか?

ネタバレ

戦争とはいえ人を殺し部下の死も自分の心に残っているが、中でも禍根となったのは、娘の存在だ。クラウディア・ハイデマンという名前だが、娘がいる国を戦場にしたくない一心で戦場に赴いたのだとか。親や兄弟もいたはずなのに自分が助かりたい一心で人を殺めた。

通常の判断を下すことができないのが戦場である。
戦場では、敵側の意志を挫くために人を殺めたりすることもやぶさかではなくなってくる。

ちゃんと天寿を全うできたのか心配で往生できないのだ。
その娘は1946年に病死していたという事実を隠すようにダアトはビナーに頼んだが、その嘘は気付かれてしまった。
その言葉の機微や感情の起伏が入るのでどうして嘘をついているというようにバレてしまう人間の本性に愕然としたようではあった。
自分が死んだという自覚を持っているので、じきに消えると分かっている幽霊に対しておせっかいと形容されるほどのダアトは、ドミニクの思考をイメージルームの機能を用いて娘になりすまし、父親として娘を想う一家族として幕を閉じた。


優しい嘘は人を救うが、それは嘘をつかれた人の心に依存するので、仮に嘘に気付き、そんな出まかせな嘘など要らんと言って投げ捨てれば結果は違うものとなっていたに違いないし、今回はたまたま運が良かったとしか。

佐藤 姫子

ダアトの身に何かが起こり宇宙空間に変容が起きると予想した彼女は、生前の姿のまま幽霊として序盤ではダアトと映画鑑賞や恋バナをする後悔、未練や恨みでさえ感じさせない。
何故あなたはここに?と問いかけたくなりましたが、実はもう一人の主人公というか、姫様が主人公なんじゃ……という気がした。

歴史は新技術が現れるたびに文句を付けたがる人がいる。
しかし、実際の運命の日とは理論や技術の成立を拒んでいた問題を、科学者や研究者が突破した日であろう。
というように、実は水面下で技術に関する研究は盛んに行われている。

ネタバレ

A.D.2371の世界において、葬送の鐘が連続で鳴り、その次元での世界は滅亡寸前かと思われるほどの災厄に見合われた。
その時の実験体(4098号:アンドロイド)として、A.D.2199の世界でダアト、この次元の人類代表やビナーと邂逅する。

初めはA.D.2371のビナーを殺した葬送の鐘を流した張本人であるダアトを憎んでいた。
彼女はこの時代にはない技術を持って研究室へ入り

「わたしもお前も、過程ではなく結果として、失敗作なのかもしれない
存在することが罪なのかもしれない。
それでも、死めことだけは許されない。

生きることを諦めることは …… それだけは、裏切りだ」

という助言をした。だが、後になってみれば、この言葉は諸刃の剣となり、自身を苦しめることになる。
A.D.2199の世界ではエネルギーチャージをすることができないという仕様になっているため自分が”生きることを諦める事”に匹敵することになるとは思ってもみなかった。

意を決して葬送の鐘を止めるために旅立つが、葬送の鐘の正体はA.D.2199の世界で幽霊を成仏させたときに生じる鈴の音と同一だということが判明したし、A.D.2371の世界ではまだ葬送の鐘が鳴り響いていることになる。

A.D.2371の世界を覆っていた黒い物体は幽霊の集合体であり、セフィラ計画の本髄といえる存在だった。その黒い物体を破壊したのだからエネルギー消費量も凄まじく、残りはもうわずかになり、当然それは姫様の時期でもあった。
さらに、葬送の鐘が鳴り始めたのは、黒い物体(幽霊の集合体)を姫子が殺したから。

その事実を知ってもなお気丈として、自分のやりたい事などで時間をつぶしていくが、死の恐怖感は拭えなかったみたいである。

姫子は死ぬために送り込まれたアンドロイドであり、まさしく、姫子の死で葬送の鐘は止まることは彼女は知らなかった。あえて知らされていなかったという線もなくはないか。
心を持つ個体を送り込みそこで恨んでいる相手のために世界を救えるのか。という問題に差しかかってくるし……。

だが最期には魂が安らかになるようにして息を引き取った。


魂を救うことの本質は仲間と対話し夢を見るように過ごす日常のような風景にあると思った。

A.D.2371で「自由より従属の方が楽」という会話が印象的。
実生活では、自由に何かをしたいと考えて企業をやめ、フリーランスになるも、失敗は許されないからねぇ。そんなんなら不自由な身でも一定の金額を得られる雇用形態の方が、無能な私にとっては良いんだよなぁ。

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