【人とは何か？】終のステラ(key)【感想】

画像編集や、改行しました。

人間を完全に模倣したようなアンドロイドの「人間の心」を創り出す成長やにジュードに対し懐き、彼に父性を感じたフェイルの人間性も驚いた。いくら進歩のためとはいえ、人間を模倣するのはどうなんだろう。
RPAとかに留めておいたらどうかとは思った。
また人間を定義すること上でそもそも「人間とは何か？」という少々哲学を含んだことも描かれていて印象に残った。
世界観は、われわれが住む世界とは異なっており、人類はほとんど前の世紀で創り出されたシンギュラリティーを起こす機械軍群に駆逐されようとしていたようだ。なぜ、その機械群は創造主でもある「人間」に楯突いて歯向かったのか。それは凡そ、見当がつく。
それはジュードがウィレムにより依頼を受けたとき、第一機目のAe型アンドロイドの哀れな末路に関する記述を目にした。このことにより、畏れや妬みなどのデータが蓄積された結果、こういうことになったのではないかという、あまりにも月並みな事しか頭に浮かばなかったが、過去に色んなゲームのシナリオを手掛けておられるのでたぶん、そうはならないんだろうとは予想してはいる。

奇妙な老人からの依頼に向かう。多種多様な街に赴く傍ら、要塞都市にたどり着く。その実態はディストピアなのか。しかし生まれ育った環境がディストピアなら、これが本当のユートピア。戦争を知らないAe型アンドロイドは、世間知らずながらも知識を頭に入れていくが、やはりそのまるで人間のような考え方には取捨選択を取らなければいけない場面では拙さが感じられ、創造主の思惑が感じられるのでは無いかと思った。
人類は街ごとに派閥争いや利権もあってさらに滅亡へ進んでいったのだろうな。

タイヤネックレス（？）で火炙りの刑の遺体。恐らく、その遺体は下位階層から上位階層に住む人たちに対する何らかのメッセージだろう。地位の低い者の高い者に対する羨望や嫉妬が綯い交ぜになり、このような暴挙手段を取るしかなかったのだろう。そこには差別と特権意識が根強く存在しているのだが、その果ては皆諸共に滅んでいく。
協力することも大事なことなのではないかと思ったが、正直無理があるわな。こちらは善意で行ったが向こうは、その善意を悪意ある行為とみなし攻撃するのかのしれない。疑心暗鬼を生ず、とはまさにこのこと。

水は低きに流れる

そして、人は易きに流れる。

有り余った問題をAIに委任することで解決しようとした人類は、結局そのAIの行動する理念に理解するには到底及ばなかったようで、自分たちは蚊帳の外である。

シンギュラリティーマシンが生まれたのはその産物なのだという。

人類にとって未知の領域に進んで足を踏み入れる。それは決して悪い事だけではないと思う。例えば、AIが難病を見分けて、本当かどうかを判断するということもある。そういうことですぐに結果の良し悪しが判断ができる媒体有益だが、今回のように、いつ終わるのかもわからないし、それがどんな形で人類の役に立つのかを判断することは至極難しい。

科学技術を発展させたいのとはわけが違うからね、今回は。

エワルドのためのハダリー

この意味がよくわからなかったが、「きらびやかに現れて人を魅了するが、最後は失意に沈める存在。不幸だけを残していく女」らしい。

これまでの関係性にヒビが入る場面での挿入歌、時の祈りが流れるシーンでは演出もあってか、悲愴の涙を浮かべてしまった。

知的にも育っていくフェイルだが、ひょんなことからそれまで築いてきた「嘘」を見抜かれてしまい、男の人だからこそ持っている不器用さが感じ取れて良いなと感じた。

「じゃあ行くね、お父さん」

泣くわ。

エピローグで、ゆるキャン△でおなじみのあの子の中の人？とも思える声のAe型アンドロイドの逢瀬により、「父親」の遺志を引き継いでいく2人の姿があり、人類にはまだまだ早すぎた技術とは言われないように切磋琢磨していくのだろうと匂わせる。

『進撃の巨人』みたいなエンディングだった。しかし、戦禍に巻き込まれなかったパターンであり、それをずっと守り続けるのだろう。

シンギュラリティーマシンを味方にするAe型アンドロイドなら、墓を荒らそうとは考えないものであり、ジュードのことをずっと覚えているということなのだろう。

人間とは何か。それは遺伝子とは違う何かである。

遺伝子の話がなぜ関わってくるのかと言えば、AIが人間と他の個体を見分ける方法としてこのゲームの世界では遺伝子をみるからである。その目には見えない遺伝子の変化が積もり積もって人間が人間ではないと判断されて、今回のような展開になったと考えると、人類の進化は遺伝子が変わらないことには始まらないのではないかと思った。エピジェネティックとも関わりがあるという風に見受けられた。