代表作とはいかずとも、充分に引けを取らない作品だなと思った。ついで、新たにB級映画を開拓した様な心地を覚えた。
旅行ということで神楽 京香(一樹の一つ上の幼馴染)と橘 一樹とその妹、双葉の三人は荷物をしたためていざ出発。
そんなとき雨が降り始め、古びた寺に雨宿りをしていると不意に声が聞こえた。
後にわかることだが、このときから既に三途の川に渡っていることを一樹や京香はまだ知らない。
寺に連れ立って来た一樹と京香は雪と森羅に巡り会う。
「呪盤寺」。それがこの寺の名前だそうだ。
もしかして「テラべっぴん」の「テラ」って寺のことだったのか。呪盤って襦袢と係っている気がする。
舞台は京香、乙女、憧子、雪と森羅の5人でVRの世界にようこそ!みたく、奇想天外な双六ゲームのような展開になっていく。
双葉ェ・・・
どうやらVRの世界の一日は現実の世界の10分程度らしい。というかVRというのも雰囲気作りのために編み出されたものであり、仮想空間では無いようだ。
廃村少女みたいに、時間が止まっているわけではない。
この双六みたいなものというのもミソで、実は目的地に着いたら、呪盤な世界から現実の世界に戻っていく。要は、桃鉄のように過ぎ去るとゴールしたことにはならない。桃鉄だと過ぎ去った後、再びコマを元来た方向に進めるが、このゲームは多分進むだけのようだ。
これ、詰んでね?
ゴールは見えないし、何処にあるのかもわかんない。おまけに、賽を振ってもそれがゴールを通り過ぎている可能性もあることを考慮に入れると、ゴールすることは実質的に不可能なんじゃ……?
この手のジャンルのエロゲではアリがちな夢告だが、本作でも健在である。そのシーンで私は、森羅と雪は過去に京香と一樹に会っていたのではないか、とも思った。
また、登場してきた乙女や憧子はもしかして、過去にこの双六に参加しており、ほかのプレイヤーには先に上がられてしまったと感じた。つまり、上がることができるのは1人だけであり、残ってしまった人は、次の「お客」が来るまで現実の世界には戻れない、と考えてみると、警泥でなぜあんなにも必死に乙女が一樹のことを罠にはめる形で捕まえたのかが分かるような気もする。
こすぷれH とかもう僕のブツがビンビンに勃ってしまったw
主題歌:賽苑の花時
歌:み~こ
作詞:mau
作曲/編曲:上原一之龍
ギター:K-Taro
作詞:mau
作曲/編曲:上原一之龍
ギター:K-Taro
上原一之龍さんは、「euphoria」の楽園の扉でも有名。
プレイ時間:17時間
プレイ順:
神楽 京香→不知火 憧子→松平 雪→不動 森羅→ハーレム
僕は当然のことながらBad Endも回収した。
各ヒロイン※ネタバレ有
神楽 京香

この構図は、僕が引きこもりの時にプレイした
リラクゼーション癒香・M 〜マッサージからマゾへの快楽調教 サキ女王様編〜
というHERENCIAのゲームに似ている……。
いろんな意味で思い出深い作品だな……。
この世界は、VRのようでじつはそうではない。ちゃんと現実の世界はリンクしているようだった。そういう意味ではSAOの世界観とよく似ている。
一樹と京香は欲望の棹を思いのように操り出した。
それはまるで「妙適淸淨句是菩薩位(びょうてきせいせいくしほさい)」のように。寺が舞台なので、密教の仏典を持ち出している。この仏典は、人間が本来持っている欲望は清らかであるから、その欲望をもっとより良い方向に使っていくべきなのであるという論法だ。つまりはたとえ話であり、セックスのことについて教えられているわけじゃない。
チームが分割されるカードを引いてしまい、雪と森羅から離れてしまった。
そんなとき、一樹はレストハウスに祠を目にする。そこからは一方通行(アクセラレーターのことではないw)であるが確かにそこから外に出られるというのだ。だが、不正な方法で脱出を試みたことを知ったウォルト(新たなナビ)に遅効性の毒で殺害を宣告される。
最終的には、その場に居合わせた憧子とともに一樹と京香は脱出することに成功した。だが、遅効性の毒を使ったのはなぜなんだろう。
物語として脱出させるためであるか、もしくはあえてそうしたのだろう。
僕は、てっきりここから一歩進んだところにゴールがあることを暗に伝えているのではないかと思ってしまった。
一歩進めるカードなる物を手に入れたことだし、あとゴールに直行できるカードも手に入るイベントもあった。
それが十分に生かし切れていない一樹を見て歯がゆい気持ちもあった。
不知火 憧子

一番好きなビジュアルだ。
すべてを知るゲームマスターとは違って、彼女は一部しかゲームの抜け方は知らない。
憧子は、乙女や此のチームに合流してきた浅井辰也という中年男がある秘密を掴んでおり、人生からゴールしていったときに、何かを伝えたいのではないかとも取れるような反応を示した。ゲームの秘密を口外してはならないことを暗に示していたのではないか。
かーくんときょーかが「また」ここに来るまで呪盤寺でずっと待っているからと夢告の女子生徒たちは言った。
待ち望んでいた「かーくん」ってもしかして、橘一樹のことなのではないか。とすると、招かるざる客ではなく、必然的に来た客ということになる。
憧子はその約束をずっと覚えていたが、一樹と京香は記憶を消され、元の暮らしに馴染んでいった。
憧子ちゃんは、この呪盤寺がある地元の資産家の娘だった。
そういう理由もあって、彼女は子どもの頃よりずっと、周囲から特別扱いされてきた。そのことに嫌気がさしていた彼女は、たまたま旅行に来ていたおれたちと知りあった。年も近く、自分を特別扱いしないおれたちと意気投合し、すぐにおれたちは仲良くなった。そしておれたちは山の中へ探検に行き、呪盤寺を見つけた。
資産家の娘であることを知られたくないので名字は名乗らなかった。
夢告はただの夢ではなく、失念していた記憶の欠片だったのか。
またしても彼らは交合の悦びを知る。
觸淸淨句是菩薩位(しょくせいせいくしほさい)やね。

かーくん…わたしは忘れないよ…か一くんのことも…きょーかのことも…絶対に忘れない…でも…もし…わたしがかーくんのことを忘れちゃってたら…思い出させてほしいの…
わたしがか一くんのことを好きだっていう気持ち…きょ一かのことを大切な友達だって思ってること…全部思い出させて…お願い
再び、毒を盛られて窶れていくのだが、そこでシャッフルカードを手に入れた。そして絵遂にゴールに直行できるカードを手に入れた2人はさっそく使った。
忘れてしまうんじゃないのか。憧子のことをすっかり忘れてしまうという予想は杞憂に終わった。
憶えていたようだが、不知火とは聞いてこなかった2人はさっそく病院に向かった。
きちんとゴールできたことは良い事なのだが、違う意味でゴールしてしまった人もいる事も考えれば、素直に喜べない……。
初めはつんけんしており、実は「かーくん」と「きょーか」を好きで、いつまでも覚えていることにも好感度が上がっていった。
また、BADEND?では一樹の分身を使い4Pを繰り広げ、本来の目的から逃避していくというEndだった。
ぶっ飛んでいるな…w
松平 雪

実の年齢は多分違えども、見た目は女子高生だ。この世界では、雪の他に年齢を偽ってゲームに参加している者がいる。早乙女乙女という女性だ。彼女は、騙すつもりがなかったにせよ、浅井と共にゴールした後に正体が丸裸になってしまう。そして、何があったのか知らないが正体が判ってから浅井の反応が豹変する。雪おんなか、それとも、幽霊の正体見たり枯れ尾花ならぬ、「枯れたおば」なんつってw
また、7人の小人ならぬ、白雪姫の如く分身した一樹が雪を襲い掛かるシーンもあった。そういえば、憧子でもこういう性交で起こしていくというシーンもあった。
ふたなりに化けてしまった雪の珍ポをオ〇ホで扱くという稀代なる行為に甘んじるシーンは本当に犯していいのかという葛藤にも溢れつつも昂奮した。
適悦淸淨句是菩薩位(てきえいせいせいくしほさい)男女交合して、悦なる快感を味わうことも、清浄なる菩薩の境地である
出雲国松江藩代5代藩主、松平宣済の長女、雪
かつては雪姫と呼ばれていたんだそう。
助手たちが姫と呼んでいたのは事情を知っていてのことか。
雪は伝染病に罹ってしまった。人から人へと感染する病気に彼女の両親は、領主であることからその地域に住む人を護らなければいけなかった。断腸の思いで呪術師の監修の元、建立した寺に雪を封印することに成功する。つまり一樹たちが迷い込んできた呪盤寺というのは松平宣済が娘のために建立したものなのだ。夢告で一樹たちと会っていた女子高生とは雪で間違いないと思う。そうすると、いつかここに来る一樹に脱出する術を伝えたかったのか。
結核なのだという。労咳……。津山三十人殺しの犯人もそれだったという話を聞いたことがある。徴兵制度からはじき出されて世捨て人となった。現在では考えられないことだが、当時は戦争が始まる段階である。そんなときに労咳によって働けないでいるといよいよ世間からの目は厳しくなる。
病気を発症した犯人、集落に住む人間どちらも悪とは言えない。そういう多角的な視点で見ることも大事な合ことなのではないか、とその話を聞いて僕は思ったものです。
とんかつ、ライオンとバカモトリョウマはなんと、姫をこの呪盤に封印していたものだったという
ことで、さっそく取引として、姫を絶対に救ってみせるという約束をした。
でも、現実の病院ということは入院費用や診察とお金はかかるに違いないはず。保険はどうなるんだろう……。戸籍とかもないであろうし、300年前に生まれたことでニュースにも取り沙汰されることにもなる。

やはり、こうでないとね。
半年ほどで病気は完治した雪は一樹と「呪盤寺」に行くことにしたその前に佇んでいたのは……。
森羅ちゃんがいなかったのは深いわけがありそう。
不動 森羅
札の指示で性欲を発散させ、その精力を雪の活力に変換する。それがこの呪盤での決まりごとらしい。
まさか、ウォルトが真の管理者であり、それで呪盤に封印されているんじゃないかと思ったが、彼は下っ端だったようだ。
愛らしい表情の裏には、呪いの様に聞かされ続けた母親の言葉もあったし、何より森羅自身が感じる自分に対する掟みたいなもの、自分は雪の為に誠心誠意尽くす。それが結果として彼女自身を破滅するきっかけになろうとも一向に構わない、という意思が見え隠れしている様な気もした。

母親。
その身は滅びたとしても、恒久的にその呪いは掛けられたままである。
だが、この人は悪魔と言うよりは、母親像が突出しすぎている気がする。結果として、それが呪盤の管理者として森羅を封じ込めたのであるが。

ここで、本作の主題歌、賽苑の花時が流れる。なぜか泣けてきた。と言っても、別に感動に類するものではなく、これで一件落着という安堵の涙であった。
最後に森羅の母親と、ある賭け事に勝って見事に外の世界に出た。300年前に生を受けた人物だとは思えないほどの適応能力である。まぁ寺の中にVR とかもあってモダンな雰囲気もあったので驚きはしなかった。

終盤では、『らき☆すた』の柊姉妹のように神社で巫女としてアルバイトをしているとの情報を手にした。
ハーレム
呪盤でみんなとイチャイチャという生活を描いているおまけルート。
乙女が生きているということでほっとした。呪盤でかなりの熟練者であるらしいことを仄めかす乙女は、恐らく運に恵まれず男日照りで悶々としていた。そこに現れてきたのが主人公の橘 一樹だ。そんな彼を見彼女は見初める。
序盤の彼女の様子は一途に一樹のことを誘ってくれていたのに浅井がメンバーに加わったことにより態度は豹変する。現実の世界で彼女は女社長をしているらしいのでお金の誘惑に屈するとは思えない。とすると、何かを垂らし込まれたのか。その何かとはあんまり触れられていなかったように記憶しているのだが(間違っていたらすみません)、何らかの策略に引っかかってしまった事も否めない。
これは僕の想像だが、現実の世界で会社を経営していた彼女をライバル視(又は妬ましく思っていた)した浅井(再開していたときは死ぬということを知っていた)がこの呪盤という世界にまで付け狙ってきて、最期には一緒になって死ぬという最悪且杜撰なシナリオが浮かんできてしまった……。

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