- モテない卑屈な男子生徒の心理を理解したい方
- セーラー服が好きな方
- スカトロや暴虐シーンにも耐え得る精神をお持ちの方
にオススメしよう。
万人向けではないのでご注意。
「euphonia」みたいに伏線と大どんでん返しがある作品かなと思ったら、主に奴隷Endか逮捕Endしかなく、全てを見た後にTrue Endが出現する単純な作品だったが、ちゃんと謎については納得のいく話だった。
悪役になり切れずに終わってしまうのは中途半端だがこのゲームにおいては良い方向へと傾いたのでしょう。
優秀な兄がいることが鬱屈とした人格を作り上げるのに一役買っているともいえる。自分と兄を比べることによって劣等感なるものが赤裸々に伝わってくる。
プレイ時間:6時間弱
主題歌:rainy days
主題歌:rainy days
だが、早い人なら3時間ほどでクリアで来てしまうがそれだけ凝縮された話であり、10時間ぐらいしかプレイしていないゲームかなと思った。
セーラ服が好みである私はどっぷりと嵌った。
あと楽器を粗末に扱う場面では楽器をやっていなかったとはいえ嫌悪感がした。この場面においては素直に美月、かわいそう……(全般的に言える事なのですが……)。
ニコニコ動画なら、親の顔よりみた、とタグに書かれてしまうぐらいに楽器を弾くのが好きであるが、美月の楽器を破壊すること彼女の意識を自分だけのものにしたかったのか。
あらすじ
夏休みがはじまる。進学しても何も変わらなかった。
去年も、今年も、来年もずっとこのまま、何も変わらないのだろう。灰色の日々。この鬱屈にせめて理由があればいいのに。
くだらないばかりの毎日は、この感情に、理由も名前も与えてくれない。
だから俺は、自分からこの灰色の世界を変えてやるのだ。
去年も、今年も、来年もずっとこのまま、何も変わらないのだろう。灰色の日々。この鬱屈にせめて理由があればいいのに。
くだらないばかりの毎日は、この感情に、理由も名前も与えてくれない。
だから俺は、自分からこの灰色の世界を変えてやるのだ。
ずっと思い描いていたことを、今こそ実行する。
計画は完璧だ。
あとは、この計画の中心にハメ込むに相応しい女を選ぶだけ――。
誰でもいい。けれど、つまらない女でない方がいい。
そう、たとえば……前を歩く、あの長い黒髪の女とか。
白く輝くような夏休みなど要らない。
俺が欲しいのは、女の悲鳴と絶望で黒く塗りつぶされた日々だ。
奴隷End
①、②とあるが私が勝手につけた名前であり、仮の名前だから、別に個々でつけてもらって構わない。
従順に事をなされるがままに過ごすのか、過ごさないのかを選ぶシーンで、どちらを選んでも絶望っていうか。
捕まっているんだから、逃れる手段は晋二を懐柔してなんとか逃がしてもらうことしかないんじゃね?とか思った。

奴隷Endの前にあった、Bad Endについてもここで触れておこうかね。
事を歯止めを聞かなくなってしまった晋二は美月を死なせてしまう。
そこで慌てふためく主人公。
今までプレイしたゲームなら、精神的身体的に発達しているからか、失敗することを前提としているので、こんなことは手慣れている。
だが、この主人公に関して言うと、狼狽した挙句、死んだのは俺のせいじゃない、美月が弱いからだとかそんなことを言い出しそうな雰囲気を見せつけてくれた。
幼いが故に羽目を外した。その結果として待ち受ける仕打ちは、大人の社会を見せつけてくれる。
そう、今話題になっているバカッターというものだ。
彼らも羽目を外している、社会規範に則っている奴らが思考停止しているのであり、俺らはそれはせずに独自のやり方を貫くぜ、とでも言うのであろうか。だが、現実は子ども大人に拘わらず等しく罰を受けるのである。
晋二は自殺を遂げることで罪から逃げた。
色んな事で自殺もしたくなるのはわかるが罪から逃れるためだけで自殺を選ぶのは如何なものか。
①は、調教の末に美月を奴隷に仕立て上げるエンド。ご主人さまを慕う奴隷と、奴隷に愛を注ぐご主人さま……という構図になる。
祖父の遺産を使いマンションを買った。そして、その家に引越しをして、心機一転「これからも二人で楽しく過ごしていこう」というところで物語の幕が閉じた。
しかし
「ん……こほっ……けほっ……」
と咳をする美月。それも肺炎を患ったような乾いた咳……。
こんな楽しい生活もずっとは続かないであろうことが予見される終わり方には、どんなものでも(特に快楽)、長続きしないんだなと思い知らされる。
②は、美月を人として見なくなり、家畜として扱うエンド。完全に調教を成功させたことにより、彼は自分自身を過信することになる。
「他にも女を捕まえてこよう」「俺なら大丈夫だ」「今の俺は昔と違うのだから」
さらには現実を逃避し続けたことにより、完全に倫理観を失う。
「邪魔なものは全て排除すればいい」「俺にはその力がある」「いざとなったら殺せばいい」
と。そして最後には
「俺だけの王国の建設だ」
と次の目標を語り物語は幕を閉じる。その後、彼がどうなったのかは誰も知らない……。

これが火種となって夢が破れた瞬間である。
美月はまだ、この瞬間までは晋二には聞こえないほどの音声でお気に入りの楽曲を口ずさんでいたのだが、バイオリンが穢され、ズタボロにされることで涙が堰を切るように止まらなくなり発狂する。
このEndでもやはり逃避の行末が描かれた。
狂気で仮面を被った自己にはもうおそらく誰の声も届くまい。
誰かを拉致してまた快楽の限り蠢動を繰り返すのであろう。そして俺が壊れたら、性欲の尽きるまで……。
逮捕End
自分が不幸な目にあったときに、それを「自業自得」と認識することにより見られるエンド。
酷いことをしてきた美月に「逆に」助けてもらうことにより、彼女の本当の姿に直面するのだ。
そう、彼女は強かった。彼女は希望を抱えて生きていた。前を見つめて生きていた。
それを認識することではじめて、美月をただの物ではなく人として扱えるような気がしてくる。

開放された美月は辛かった経験を乗り越えて自分の人生を生きる。対して主人公は「罪の意識」を得たことによって「普通の人間」になる。彼はその後は一生「罪悪感」と「業」を背負って生きていくのだ。
True End
けっきょくは美月を誘拐することができなかった場合を描いているエンド。
なんとなく生きてきて、過去の行動を嘆いていた彼は、同窓会にて美月と再会して、言葉を交わす2人。
「白井はこんな人間だったのか」
彼女に幻想を押しつけてきた彼は、やっと本物の彼女に触れるのだ。最後に美月は「それじゃあ」と言って会話を終わらせる。
かつてはちゃんと言葉を交わすことをしなかった主人公。かつては彼女に自分の理想を重ねていた主人公。かつては美月にとっての「路傍の石」でしかなかった主人公は、彼女と交流することにより救われるのだった。

こうして、2人は暗い秘密を抱えて生きていくのである。
全てのEndがびっしりとあって、もうお腹いっぱいという感覚だった。
そしてさいごのBGMが夏の終わりを告げる雰囲気があり、それもそれで切ないようなやるせないような不思議な感覚……。


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