≪クロアプ初のスカトロ≫ REQUIEM ≪一部修正・感想≫

CLOCKUPエロゲ各ゲーム感想一覧
このゲームにはCLOCKUP初のスカトロジーな場面や触手責めもある。
にオススメかな。
まぁ、言い換えれば、人を選びますよ、ということだ。
矢代暁雄(やしろ あきお)は将来を嘱望されていた天才ヴァイオリニストなのだが、舞台に立つと手足が震えるあがり症を発病した。あがり症は、その演奏家としての道を諦めさせ、聖セシリア学園の音楽科の教師として生きながらえていくのに充分すぎる理由だった。
ある日、ふと目を覚ますと訳の分からない地下道を発見するが、そこにあった拷問室で悪魔と出会う。
ここまで見ると、将来を嘱望されていたのに、「しがない」教師として生きる事になった彼と悪魔の契約を結ぶことで、その悪魔に何のメリットがあるのだろう。一見して何のメリットも無いようにも思う。だが、悪魔は〈カンノーネ〉というヴァイオリンを通してのみ、人の意志を自由に書き加えることや、夢にまで干渉する。
そうすることで、恐らく悪魔は、対象となる人に乗り移る。やがては、その人になることを最終的な目標としたのではないかと思った。もしくは、単純に彼の心の隙間を縫って、どう化学反応していくのかを観察したかったのか。
人間と悪魔の間には大きな隔たりがある。その隔たりというのは「相容れられない」感情というものなのだろうか。ともかく、日和見主義な行動をしたがる悪魔。自分の拠り所になる人なら前の人を犠牲にしてでも、自分の欲望に率直に行動する。
ヘルマンの『ギガス写本』の書く経緯に何となく似ている。
ヘルマンは、神への誓いを破ったことで『ギアス写本』を一晩で書き写すように命じられたが、当然それは無理(320ページの羊皮紙)なので、なぜか、悪魔(ルシファー)に自分の魂と引き換えに書き上げることに成功したのだという。
この物語でも、矢代先生がヴァイオリンの修理を頼まれ、悪魔に魂を売る場面から始まる。
プレイ順
七原雪菜→七原瑞穂→春野ひなぎく→神月 瀬理香→朝比奈 詩音→橘 沙紀→エレーヌ=コレット
主題歌
オープニングテーマ:hépatique
劇中歌:ever green
両方とも真理絵さん。
たしか、腐果の濡獄の主題歌、「かわいいぼうや」でも聞いた歌声。
ED曲は、「G線上のアリア」だったか。
矢代先生の演奏中に流れるBGMは「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004」だろう。
プレイ時間:約20時間
キャラデザは袖がゴムでまとめられており、胸が強調される造りとなっているザ・美少女。また胸のリボンが大きすぎるというのも、昔ながらと言った印象。
テキストは、SWANSONGのようにきちんと読みやすいように句読点のある部分で遅れて表示される。また思わぬところに伏線が紛れ込んでおり、とても読みごたえがあった。
以下、ネタバレ有りです。

七原雪菜

公開出産End、生贄End、奴隷EndとHappy End
公開出産は魔宮と化した学園の教会にて、懐胎を行うという狂ったようなストーリー。
カンノーネに乗っ取られた矢代先生に、こうなっては仕方が無いのか、理性の消失なのかは分からないが、ともかく従うしかないのかもしれない。
レオタード姿を淫靡な目線でみたことは無いが、これじゃあまるでエロティックではないか。
しかし、肛虐は欠かせない。
一人の生徒がしゃがみ込んで、目の前に倒れる生徒の内臓を穿り出している。
小腸を引っ張り出して、それを狂ったように口に含んでする。(原文ママ)
子宮も身体から取り出している。
流石にその描写は無いが、今のクロアプさんなら出しそう……w
グロテスクな表現を表示するみたいなコマンドが表示される感じで。

肛門から何を出しているんだと思ったらこれはプリンなんですよね。
断じて排泄物ではない。プリンなのである。
雪菜だけで3つ目となるこのEndでは、羞恥プレイは尚のこと、初めは嫌がっていた彼女は抗うことはできずに耽溺していく様が見て取れた。依り代となる悪魔のバイオリンを破壊することで、主である矢代の代わりに具現化していくEnd。さほど違いのないEndだなと思ったが、矢代が死ぬということは大きな違いである。
一方、Happy Endでは、遂に結ばれる二人だが、悪魔との契約のせいで徐々に体は衰えていき……。
このEndでは矢代を想い続ける雪菜には救われてほしいなと思ったものの、その私の思いとは裏腹に思いがけのない部分で合致する。
雪菜は矢代がしてきた罪と不甲斐なさで窶れて行く様を見やり、自分が天使のバイオリンの贄となる代わりに、矢代と共に最期の時を歩む覚悟ができたようであった。
この展開には、ん?と感じつつも引き込まれた。そうした部分では文章力の賜物なのか。
「ever green」が流れてきた場面では少しウルっと来た。

七原瑞穂

このルートでは姉妹が揃って蟲の卵を孕むという奇異なルートとなっている。

魔宮となった学園内では、もう3人を止められる物は無い。
あるのは必然的な破滅のみ。
ボイスが少しだけ男っぽかったのだが、ちゃんとやりきってくれた。
一度は「魔宮」から逃げ出そうとするも感づかれ、さらにひどい仕打ちを受けることになる。アナル責めや、身体中糞尿塗れになりつつもまだ理性は保っていたが、ある時を境に瓦解してしまったようだ。
もう止められない、止まらない。かっぱえびせんのように快楽は快楽を呼び、むごたらしく悍ましくなっていく。

春野ひなぎく

矢代のことを「500円玉のお兄さん」と呼ぶ彼女は、学外の人らしくいつも一人で遊んでいるようだった。だが、そんな彼女とは屋外の廃墟で偶然に鉢合わせになり、500円を貸すことになった。彼女は人懐っこく、500円を工面する姿にはひもじく感じた。
カンノーネ曰く、彼女は低級の悪魔に取り憑かれているという。彼女は幼く見え、大胆不敵でもある。実をいうとその裏では必死に自分を保とうとしている様が火をみるよりも明らかに伝わってくる。
悪魔に取り憑かれているため、その「お祓い」をするために淫らな責め苦を実施する矢代。矢代は渋々カンノーネの言うことに従っていたようだが、徐々にその本性が明らかになる。

「駿河問い」は最終的な手段で用いられたとされる江戸時代の拷問。鞭打ち責め、石抱き責めや海老責めは牢問と言われ、狭義の拷問(駿河問い)とは区別される。
駿河問いの苦痛は一線を画している。
これは絶対にやってはいけないよ、お兄さんとの約束だよ。
Happy Endではひなぎくに取り憑いていた悪魔はエレーヌのけしかけた刺客だったということが判明し、それまでの余裕綽々としていたカンノーネの態度が一変した。一気呵成に事が進んでいく最中で聞いたひなぎくの言葉は果たして矢代の胸に響くのか。

神月 瀬理香

神月 瀬理香は、朝比奈 詩音という将来を約束されていたらしい子をライバル視していた。「太陽と月」の用だと形容されていた二人だが、3年前に突如として朝比奈さんが演奏を止めてしまったので、神月は彼女を神月自身における永遠のライバル視していた。逃れられない呪縛なのだろう。憎いと思ってはいけない。そう思えば、自分が彼女よりも劣っているのだということを認めてしまうことになるからだろう。
努力型の瀬理香と天性のバイオリニスト詩音。瀬理香は、その目標物を追いかけていく。されど、それはあまりにも強大なライバルであった。挫けずにひたむきに精進する性格には、なにくそ負けるかという根性が、ありありと分かった。
彼女は、コンクールで会ったときにもうすでにライバル視しており、それでいて詩音を追いかけてこの聖セシリア学園に入学を果たした。
子どもにバイオリンを買い与えられる程度の余裕はあるが……(以下略)
充分に備えがあると思うのだが……w
聖セシリア学園に通うお嬢様なら、これがごく当然とばかり。

天賦と努力家。努力主義に警鐘を鳴らすこのストーリー。
月に一度、お墓の前で行われる無観客の公演会。
幾度となく、奈落の底に突き落とされたのだろう。でも、その音楽を聴かないわけにはいかない。聴かないことを選んでしまえば、音楽を志す者として一層劣等感を植え付けられるからなのだろう。
表立った活動はしていないが、天使の音を奏でる詩音。自分が奏でる音楽の小ささを思い知るが、周りの人は羨望の眼差しで彼女を見る。
その事が彼女を奈落に落とすのだろう。
瀬理香を贄とする矢代は、彼女が抱いていた努力をすればするほど天才には抗えことができないという苦悩を目の当たりにして、あがり症であった自分の姿と重ね合わせられ、苦しみを受けることにつながる。
悪夢の中(恐らくふごっろから抱えている情緒であり、悪魔が見せているわけじゃないと思った)で、才能に満ち溢れた絶対的な存在である詩音に自尊心を抉られ、自分が磨き上げてきたバイオリニストとしての自負を徹底的に打ちのめされる場面では、私は楽器を弄ったことは無いが辛くなった。でも詩音ものらりくらりと日々を送っていたわけではない。それは自分でもわかっている。分かっているからこその怒りであったり不安を詩音にぶつけないと気が済まないのだろうと思った。
大嫌い!
瀬理香は、矢代が「大嫌いだった」と言っていたのを思い出して、咄嗟にその瀕死状態にある好きな人のもとに駆け込む。
そして、大嫌いは「大好き」になるのである。
カンノーネは自分を悪魔からバイオリンに仕向けたエレーヌには、滅法弱い。それも矢代がエレーヌと会話をする場面でもカンノーネは現れてこないという場面でも如実にわかるというものである。エレーヌは強大な力を持っており、それが序盤のシーンにも繋がるのが、結果的に火種となり消滅。
嫉妬と羨望が入り混じり、完成度が高いと素直に感心した。

朝比奈 詩音

朝比奈は、片割れの姉に酷似している瀬理香のことを気に病んでいたようだった。
おそらく、それは過去あった出来事にまで遡る。
姉に対して依存し切っていた詩音は、姉と一緒にいられればそれでいいのだ。
そうして起こった「美少女バイオリン姉妹拉致監禁事件」。
彼女たちは、「獣」に欲をさらけ出された。姉・理音は帰らぬ人となり、妹・詩音もその時にあった出来事は記憶の奥に隠れていて容易に姿を現わそうとはしない状況に陥ってしまった。
何となく、出来すぎているなと思った。その事件の主犯である男は、腹痛で運転手が別の人と交代になってしまったようだが、ストーカーと運転手の男が成りすましていた。
若しかしたら、詩音は事前にそうするように頼み込んだのではないか。つまり、全てを仕込んだのは詩音であり、姉と一緒にいられれば良いという目標は達成できた。しかし、どういう出来事か分からないが、理音は無くなってしまった。それで、ごめんなさい、か……と考えればつじつまが合う……のか?……
いまいち自信が持てなくなった。
僕の予想は大体外れるし、伏字になっていないのでお察し出来ると思うのであえて言わせてもらう。
全く違っていた。

え?ゾクッと背筋が凍る思いがした。
つまりは今まで見た美人バイオリン姉妹拉致監禁事件の映像は、本当のことなのだろうが、矢代に見せていたのだった。
このルートは特殊であり、魔曲で操られていたのは矢代ということだった。蘇る姉・理音を瀬理香に置換しているという詩音は、遂にその屈辱にも満ちた日々に終わりを告げる。
過去については一切触れるようなことはしないが、それもそのはずで警察も記憶喪失としか報道できなかったのであろう。
姉に対して「ごめんなさい」と言っていたのは、姉に自責の念を感じていたからであって、犯人は理音・詩音を見た目では一切見分けがつかないので、理音を詩音、詩音を理音として勘違いしていたようだ。結果として身代わりになるような形で理音は亡くなってしまった。
だが、そういうことをした犯人は天使の奏でてほしいと所望する。詩音はそこで「魔曲」を奏で始めて、半乱狂になった犯人は死亡。
そして最後には、犬となった元・矢代が裸になった詩音の足先を舐める場面で幕引き。
姉と一緒に入れるのならば、世界がどうなろうとも構わない。別に滅んでも構わない。
姉を奪った世界など、必要ない。さっさと滅んでしまえ!!
3つあるうちの1つのエンディングだが、周りの世界のことなどどうでも良いという心情がありありと分かる。他のエンディングでも同じような感じである。
他のエンディングでは、卵のように眼を引っ張り出す描写が描かれていた。これはさすがに文字だけであり、画像や映像などで表現されなかった(アニメは分からないが…)。
詩音が爪先を俺の右目に突きこんできた。眼球が潰れて、半熟卵の黄身みたいに、ねろりと流れだす。
痛いことは痛いのだが、俺は肉体の痛みなどもうどうでもよくなっていた。
考えるだけで狂気じみた映像が脳裏に浮かぶ。
ハッピーエンドでは、悪夢から救ってくれた矢代と天使の囀りのような音色を響かせるというEnd。
墓標の前で独奏する瀬理香ルートとほとんど同じシーンなのに、立場が違うだけでこんなにも趣きが変わってくる構成に驚いた。
このルートでは、これまでやってきた凌辱系とは異なっている。矢代を傀儡のように仕立て上げ、彼を奴隷のように屈服させる。奴隷にするつもりが逆に奴隷になってしまった。カンノーネと一緒に贄を探していたつもりが逆にそれが仇となってしまい、遂にはカンノーネも詩音側に行きつく。悪魔は日和見主義であるし、快楽主義でもあったようなのでこれは仕方がないにせよ、もう少し策を練ればよかったのではないか。自らを屑だと罵る矢代にとっては至難なことかもしれない。
一線を画したシナリオと
詩音の心の声を聞くと私もされてみたいという欲望が出ああ
すみません、心の声が漏れてしまったようで……。
この子を最後に攻略すればよかった……。

橘 沙紀

邪な欲望を内に秘めた女性。
その欲は、彼女が持つ豊満な胸に目線を落とした矢代に対する欲である。
それもただの欲ではなく、嫌悪感に似た欲であった。
矢代の沙紀に対する接し方が他のキャラと比べ、途轍もなく酷いのは恐らく矢代自身が持っていた劣等感なのだろう。
その劣等感が臨界点に達し噴出させていると感じた。
二十数年間、彼女自身を雁字搦めに縛り続けてきた”橘 沙紀”という仮面が剥がされる。それは寂しくもあり、新たな自分を発見する良い機会となる。

表向きは立派な学園。だが、もうそこにはかつてのような煌びやかで清楚な聖セシリア学園の姿は無くなってしまった。
当たり前のようにその妄執から生徒を救い上げることはできなかったようだ。先生という聖職者でありつつも心には、人間の欲が渦巻いているということを思い知らされたEndだった。
素晴らしき日々でもこんな展開があった。

エレーヌ=コレット

 
前世の名は、セシリア=アントワーネだという彼女はこの学園の創立者である。
実をいうと彼女は、悪魔のバイオリンが生まれるきっかけだった。
はるか昔。職人は王に献上するバイオリンを創るため、自分の恋人を贄として悪魔に捧げることで聖なる音色を響かせた。だが、献上された先の国を滅ぼし、悪魔の力を欲する者とともに新たな地を探していた時、白いバイオリンを持った少女に会う。その白いバイオリンを持った少女こそが、あの職人の恋人であった。
つまり、恋人は一旦犠牲になり、再び戻ってきて、復活の邪魔をしようと自ら選んだ弾き手と共に悪魔の前に現れたのだという。
白いバイオリン(天使のバイオリン)は悪魔の復活を妨げる者。エレーヌはその白いバイオリンの具現化したものである。
だが、こういう部分の説明は本人のルートでは説明されておらず、ただの宗教家として描かれている。その宗教家としての性根が沙紀を見捨てることに躊躇しているようである。堕落してしまった沙紀を何とか救済する手はないのか、この学園がどうなっていくのかを神に問うているうちに、事態は急速に「悪」へと突き走る。
沙紀だけは淫らな姿になるとは思ってもいなかったようだ。
カンノーネの攻撃に抗っていくエレーヌだが、生徒に悪魔呼ばわりされるシーンでは心に来るものがあった。悪魔祓いと評して鞭打ちは勿論、アヌス責めや焼き鏝を突っ込むシーンは地獄絵図そのもの。
結構ずっしりとした陰鬱さが込み上げてきた作品。
ただ、カンノーネが女性に変わってしまうルートもあり、矢代が奴隷になって精液を吐き出す装置となるというEndも見たかった……。

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