いつものように家を出ようとしたが、管理人に呼び止められる。というのは、差し出し人不明の荷物が真木宛に届いているらしい。
荷物を受け取った彼は、仄かに宿る、あの手紙と同じ香りのする、荷物を開封してみた。

『娼婦に相応しき制裁を!』と記されたタイトルからも、禍々しい雰囲気と手紙の主と同一人物であろうことも予見される。
恐る恐る観てみるとそこに、響子と卓哉の濃密な接触の様子が克明に映し出されていた。
やはり、監視カメラで隠し撮りされていたのか。
VHSか。
今の時代で言えばDVDかブルーレイということになるのかな。
場面は切り替わり、半裸状態で縄で床に括りつけられ拘束された響子のシーンに。

- 他に誰かが糸を引いてこの事件を引き起こしていて、響子は巻き込まれてしまった
- 響子が黒幕
の2点が考えられた。
響子が黒幕、という説は考えすぎかなとは思う。響子は犯人の顔を見て、自分がメスを使い身体を切り刻まれることを知って居てえ、断末魔のような叫び声を上げる。そこに演技じみたものは一切感じられないからだ。
黒幕と結託していたのなら、話は変わってくるが……。仲間割れという線も浮上してくる。
- 響子は皮膚を剥がれ、生かされている
- 響子は皮膚を剥がれ、殺される
狂った選択肢…
これ、どっちを選んでも絶望の道しかないんじゃ…。

綾の妹である、なおみは現在、心臓が悪く、入院しているんだとか。
でも、そんな妹さんが何故、試験管の忘れ物を届けてくれたのだろうか。
綾は、妹の心臓を提供させるため、あのようなオペを誰かにやっていただくことになったのでは。
綾がここ数日間、研究が終わり、先生とも距離を置いていたことは、なおみの容態を心配してのことだったのかと合点した。

ビデオが送られてきて、響子が意識のあるまま、皮を剥がれ、切った部位からは鮮血が迸り、肉が写し出される。
一般の人なら目を背けたくなるものだが、真木は冷や汗をかきながらも、全編にわたって観た。
僕、あまりにもグロテスクだったら人としてじゃなく、物体として見てしまうからな……。

理系にしか分からない。
僕も化学部だった。
クロマトグラフィーというのは、分析器である。固定相と移動相があり、ここでいう、抗体タンパク質は、移動相にあたるのか。
固定相と移動相における相互作用によって挙動を調べるもの。

響子は、あえて演技をしていて、掴まったというのを装ったのではあるまいか?

次回は、3月7日
