
1人で頑強な世界に住まわる響。
その気持ちわかるぞ。
全部自己完結してしまっているからなのか、拗れているのか。
いずれにせよ、自分が構築してきた世界に他人が住み入る余地はないのかもしれない。
だが、手招きで入れたとしても、そこには響自身の支配する絶対王朝があるのみで、対等な関係を構築するには、手招きではなくこちらから安寧の世界から出ていかないといけない。
七沢由仁…昔のクラスメートだったようである。
イメチェンしたので姿は大きく変貌しているため気づかなかったが、まぎれもなく、あれはクラスメートだった。
その彼女の変貌ぶりを知ってか知らずか、岩倉先輩という成績優秀、眉目秀麗。おまけに家柄やスポーツの才能もあるという持ち主が七沢を付け狙っているのだという。
ルックスはいいのに、性格というか、手当たり次第に手を出して飽きたら棄てるという性格の持ち主でもある彼。
響はこの岩倉先輩に勝つことはできるのか。
ひきこもりだから人の機微には敏感に察知して対策を練ろうとする。
人を傷つけたり傷つけられたりなどはしない代わりに、人を平気で傷つける人には反感を覚えたんだろうな。
