水羽の父親に対する良くない感情。
それこそが同情となり、水羽にしか知りえない情報を橋本に教えたことで逃走に成功した、とハルに説いたユキが実は主犯だったというのだ。
それを義理の姉妹というかりそめの関係の中で見いだされた。攻防戦の中で、問題の解決は救いとは似て非なるものという思想を植え付けられた。問題の解決には至らないけど、殺す方が被害者側にとってみれば、解決ということもある。
多分、水羽の心にはユキが学園に来てくれたことに一抹の感謝はしていたと思う。
権三に逆らった京介の運命は如何に?
そんな時、母が死んだと権三から教えられた京介だった……。
殺人者、京介の父親(鮫島)が山王物産に就職までこぎつけて、遂に宇佐美義則さんを殺害したという独白から物語は始まる。
起業して資金を調達するという名目ので二枚綴じにすることで、2枚目の方に加藤という男の連帯保証人になってしまうという算段か。
その後は、お察しの通りに殺人事件を犯してしまう。
悪は悪なのだが、恨みを晴らすことで、晴らせる思いがあるのなら躊躇わずに殺そうとするが、結果的に家庭は崩壊する。
救いがない。
信じていた人に裏切られ、知らぬ存ぜぬを付き通されるならどうするかな……。でも義則もその場しのぎであるにせよ闇接待とかで楽しく過ごしていたというので招いた事実でもある。
権三の死は、あっけなかったが、それもこれも”魔王”が仕込んだことだったのか。
京介よ、のこのこと現れたら死ぬぞ
このセリフは、魔王に命を狙われていることを知っていて京介を守ろうとしたのではないか。極道の世界でそういうことが起きるのかは知りませんが……。まるで魔王がそこにいることが分かっているかのようにライフルスコープを見つめていた権三は、そのまま胸を撃たれたが最期まで金のことを口にする。それは、恰も魔王の意識を少しでも諸悪の権化である権三に逸らせ、京介に少しでも魔王を殺す作戦を練ってほしいのではないか。
京介は、度重なるストレスが原因で心因性健忘症となり、そのストレスのはけ口が見つからないまま、精神を病んでいったのだろう。
だが、それを言った権三が、京介にとっては一番のストレスの火種になってしまうし、その事実を権三自身も知っていたのではないか。なら、他人事のように振舞えるのか。はたまた謎である。
正確にはアサイと名乗っていたがな。まあ、それでも、権三も含め、大勢の人間がお前を”魔王”だと勘違いしてくれた
これすらも伏線の1つか……。
海外で留学していた時にアランと出会った”魔王”は、人を殺すのを厭わない素質を買われ、戦地に行くことになった。戦地で苦汁を嘗めた経験があり、法の目を掻い潜って日本に武器の闇調達方法を編み出したり、「ぼうや」と題して親から愛情をもらえていない子供をギャング集団として養成し、ギャング集団に覚せい剤の売り子や武力に訴えかける方法を日本に持ち込んだ。”魔王”自身は、ギャング集団を介してハルや時田の情報を集めているのだろう。
”魔王”は、ハルの母親やヴァイオリンを奪っていった。そういった恨みの念があり、ヴァイオリンを弾くとその光景がありありと心に浮かんでくるハルには相当根深いトラウマを感じさせた。再びヴァイオリンを弾けるときが来ると良いね。
彼女は、10年前に兄、恭平(海外で不幸の事故で亡くなったとされていた)の亡くなった後に開かれた葬儀で京介を仮初であるが救ってくれた。その恩を今こそ果たすべきだろうとは私は思ったのだが、どうなるのだろうな……。
そして事態は動きだす。
今川議員が山王物産のオフィスに入るときを狙って、躾けておいた”坊や”に指示を送る。レイプ暴力、強奪。トラックを用いたバリケードで道路を完全に封じ込めた。富万別市の財布を握っているセントラル街は地獄そのものと言ってもよいだろう。
少年法により守られているから、無敵ともなりうる。将来を見据えて努力が出来ればいいのだが、今回のように、親から見放された子供は行くべきところも無いままに半グレと化す。その未成年らは、お金を持つ人(今回は”魔王”)にいとも簡単に洗脳されてしまうということなのだろうか。その結果、暴挙という手段を講じるしかないのだ。
闇バイトの裏側には反社関係者が潜んでいるという現在の日本を思い起こされる。
後戻りのできない状況に立たされた時に絶対権力となる”魔王”に従うしかないのだ。
どんな人間も最後まで自分の正しい世界に生きて死んでいくのだ
要は、自分のしてきた行いに対して正当性を見出す。その行いが悪であろうとなかろうとも関係なく、自分勝手ではあるがそういう気持ちもあるのだろう。
用意周到に復讐に命を捧げてきたからこそ、京介やハルにここまで恐怖に戦慄を覚えさせた。
俺を馬鹿にするということは、浅井権三を馬鹿にすることに等しいのだと言った京介にもやはり、義理の父を偲ぶ心と、環境に影響を受けて、その心音はしかと受け継がれている。
こんなところでくじけるわけにはいかないのだ、立つんだ。立つんだ、ジョー。

2人は、”魔王”を斃し熱いキスをして終了……なのか??
復讐は復讐しか呼ばないから、怨敵を赦して前に進んでいこうということなのか。
どうもしっくりこない。
”魔王”の死。戦乱の状況下にあった国で生きながらえてきた”魔王”がこんなにあっけなく死ぬとは思えん。これはあの混乱の時期を狙っての作戦なのだとしたらどうなる?
と思ったらエンディングの後にまだ続きがあるようなので、ひとまずはこれで。
また次回。多分次回で『G線上の魔王』は終わり。

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