ふいー
このゲームもいよいよ終わりで、バレンタイン。
チョコレートを自作することにしたハルは、京介の家で準備に明け暮れていた。
バレンタインでチョコレートか。
一目で義理と分かるチョコでも良いから誰かくれ、ほんとに
”奴”はハルを復讐の鬼にした。
形相を変え、その様子を追うハルにはもうかつてのような才色兼備の姿は無い。
そいつの本目的に気付いた時にはもうすでにどうすることもできない光景がハルと京介の眼前に広がっていた。
まるで自分がやらかしたかのように振舞わねばならない。
ハルをなじらないといけない。
そうしなかったら検察は簡単に京介の本当のたくらみに勘ぐられてしまうだろう。
あいつ(ハル)は、馬鹿な女なんですよ
彼女のヴァイオリニストへの道と自分の将来を天秤に掛けた京介。そのため、彼女を庇うという結果に。
留置所の中から出した裕也(利勝、染谷の部下)への手紙ではハルを助けてやってほしい、と丁寧な言葉で綴られていたし、ミキちゃんや堀部にも事の経緯を明らかにしようとする週刊誌に取り計らいも忘れない。

そんなこともあってか、ヴァイオリニストとして再び世界に羽搏くハル。
最後にハルの姿をみれなかったのは、おそらく多かれ少なかれハルに対して罪を感じており、自責の念で目を合わせられなかったからではないのか。極道の住人と世界の陽となる人との差は大きかったのだ。
私はそう思った。
これは殺人であるとともに、復讐の物語。復讐は如何に悲劇を生むのかについての物語ではないのかという気がした。
BGMに逸る気持ちが抑えられなかったり、ゲームを起動したときに流れるBGMがチャプター毎に変わっていき、最後には「G線上のアリア」を奏でる演出に心躍った。
また所々である伏線と思われることにも実は伏線ではなく、伏線と思われない些末な出来事が伏線だったりする。
探偵ゲームではないことを心に留めるべきなのだろう。
ついつい深読みしてしまう意表を突かれた作品だな。

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