[あらすじ]
きっかけは一冊の手記だった。
偶然手に入れた手書きの手記に記されていた【地図にない村】。
そこは――
狂い咲く椿、
一足早い紅葉、
沢山の赤い花々。
気が狂いそうに赤い森に囲まれた山奥の寒村、来待(きまち)村。
青年はその村に来訪神(まれびと)として迎えられる。
ようこそ、おいでくださいました。御廻様(おめぐりさま)。
今年の祭りは二十年に一度の特別な式年大祭でございます。
この者たちは、この特別な年に訪れる御廻様のために生まれ育った
斎(いつき)の者たちでございます。
ふたりは毎夜交代で伽に参ります。
村の美しい娘を一夜妻として神に差し出す……
これは古代からつづく大切な斎の儀式。
神を歓待するための、神聖な行為なのです。
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村の惨劇に触れたときの高揚と絶望に打ちひしがれたし、村に彷徨う因習が興味深かった。
美壽々だけを責めるのは難しくとも感じたし、没入感があり、Happy Endとはいかないが考えさせられるストーリーが魅力的だと思った。
しきたりという名の誰かにとって都合の良い法。
事実を捻じ曲げ、間違った方向へと導く。
プレイ時間:35時間
舞台は、戦前から戦後の日本における極めて過疎化した村で、村の名は来待村という。
その村では徐々に村の大巫女様(美壽々)による支配体制が敷かれており、位の低い女は男性や位の高い女性の私物という男尊女卑や、奴隷の子は奴隷に、王族の子は王族にという風潮が渦巻いている。こうした価値観は、文明が生み出す一つの側面だという気がしてならなかった。
女性の容貌は萌えキャラというよりは現実的な視点で、黒髪でもある。
万人にオススメ!ぜひ購入してみてください、とは言えない……が
黒髪が好きな方(美少女ゲームにありがちな髪ではない)
180度変わる村の様子に惑う人々の姿を見たい方
CLOCKUPらしいテロップが好きな方
陵辱ゲームが好きな方
歴史や因習に興味のある方
にはオススメかな。ちなみに私は今まで買って後悔したゲームは無いぜ。
みんなそれぞれ心に残る。
以下
ネタバレ含みますので注意してください。
幸仁は、稀世良か十子のどちらを嫁御前にしたいか、と問われ、稀世良が何かを知っていると思ったので、後のことも考えて十子を選択した。
目次※ネタバレ有
十子ルート

凛と佇む姿
何度か夜伽で交わった十子と幸仁。
嫁御前には稀世良を。あの子は身体が弱い、とかつて語っていた十子の気持ちとは逆に、幸仁に温情の念が浮かび上がっているように思えた。
嫁御前に十子を選んだ幸仁だったが彼女は御廻様が選んだのだから仕方ない、と不承不承の思いを感じていた。
太歳もどきが現れたりとか和比古は村のしきたりに反対している風に感じた。だがしきたりに甘受しているようだった。
この人は御三家の永見家の夫でもあり、妻に逆らわなければ甘い蜜を吸えるからまぁ妥当といえば妥当だな。だが和比古を使って村の内部に存在する闇の暴いていけたもしれない(その確率は限りなく低いのだが)と考えるとちょっと惜しい気がする。
さて、そんな中で訪れる大祭。
演技だったのかそれとも憑依されたのかはともかく、十子は元の姿には戻らない結末だった。
村の人(庄三?)が何やら怪しい挙動を見せていた。
庄三が十子に薬か何かを仕込でいるんじゃないか、と思った(※)。
だがこの意見は180度変わることになる。
村のしきたりという法を作ったのは昔の人々ではなくなのでは?と幸仁の述懐がされている。

サエの村に関するすべてを知ってあとの言葉・・
絶望と憎悪と孤独の中で育った、サエの正体は十子だったのだ。
十子というよりは十子となる人であって、みどりの子として生まれてきたサエと八千代の子として生まれてきた十子をマサにより取り替えられたのである。
つまり、みどり(と実の兄)の子が十子であり、八千代の子がサエということになる。

十子どんな状況でも君は
なぜサエまでもが?と思ったが、十子と雄廻様を高台から突き落としたとして始末されたのか、あるいは、もうすでに十子さえが取り替えによって生まれた因縁のある存在であるという事実を加味しての殺害か。
稀世良が殺されたのは、太歳としての稀世良を食べたいと思っての行動であると思った。
そういう意味での取り替え子か……。
私は、「稀世良」と「十子」が入れ替わっているのではないか?と思っていたが、どうやら全く違っていた様子。
稀世良ルート
何度か夜伽で交わった稀世良と幸仁。
稀世良を嫁御前に選んだことで十子は安心したようであった。
このルートは、「顔の見えない、黒ずくめの男」が登場してきたという点や恒太朗の失踪を除けば大体一緒。
まぁ、嫁御前に選ばれた稀世良とは性的行為に溺れるのだが……。
蠱惑的と言えるほどに耽溺する幸仁と稀世良。
そして来るべき20年に1度の霊祭。
美壽々は、なぜだかサエを御廻様の和態の相手にした。
彼女は、サエが本当は十子となる人であるという事実を知っていたからこそ、和態の相手としてサエを選んだのではないか。

もうヤダこのゲームと思ったのは秘密
十子は、犯され虐げられた。
精液臭いな……。
素直に可哀そう。
みどりや八千代(八千代は取り替え子の事実を知らないし、私も事実を知らなかったのでこういう評価にしました)が不憫でならない。
ひでぇこれが、娘として育ててきた子に対する態度か?と思った。
いくらしきたりがどうのこうの言っても、事が事だけに諦められるのかよと思ってしまった。
ここらあたりで八千代は影の絶対権力を持っており、裏の世界で牛耳っていたのであろうと思ったが、後述の通り、それは木っ端みじんにも打ち砕かれることになる(半分は当たっているが……)。
舞台は、やがて「招魂の儀」に。

グゲ……アルコールの精液割り
最も濃い太歳を受け継いだのであろう稀世良(かあるいは太歳そのもの)は精液入りの御神酒を呑み、御廻様にも呑ませた。
憑依されておらず村の空気感を読んでの行為なのだろう。
還歴ルート(True?)
稀世良は物語の範囲外である。
このルートは復讐がテーマに挙げられた。
虐げられ続けた、今の御三家の人たち。その中でも美壽々が希望を失わずにいたのは偏に「姫様」が居たからである。
しかしその姫様が実は淫乱な肉人形と化してしまい、そのような姿に変えたのが偏に村の人たちでないかと思った美壽々は復讐を決意する。そしてその「姫様」も同様に復讐の対象となる。
御三家の女性の内、美壽々はその血を受け継いでいない、他の巫女だったのである。
所謂嫁いでいて永海家の巫女になった感じだね。
永海家の内権力を握っているのは実際には八千代ということにもなろう。
八千代には年齢的な要因か、それとも性格的にか。
私には、どうも性格的に問題があるという風にしか思えない。
というのは、良い意味では裏表のない人だが、すぐに血気して怒り出してしまう。それだと冷静にあらゆる物事い対処すなければいけない巫女には適さないから巫女に向かない。
千鶴江は、村が狂っていく前から無気力な性格であり、主人公にも手を差し伸べてくれたが
それも中途半端。
幸仁が言及しないと何もしゃべりたがらない。彼が千鶴江の様子を見て真実を語りたがっていると思われるようなそぶりを見せているのにである。
それは、千鶴江に美壽々から口止めがなされていたんじゃないのか。
もし言ったことが判明したら舌を引き抜くぞ、みたいな感じでw

十子ちゃん……ガチで可愛い
復讐によってもたらされる人間性の崩壊。
慣習、しきたりや御廻様という要素は、あくまでも祭り事の一種であり、ただしているだけ。
本当の意味は、反乱でもたらされていく、人間模様に重きを置かれた作品だと感じた。
44年前に行われ殺戮と陵辱の歴史。
勝者は陵辱し、敗者は陵辱されるのである。
それらの影響を受けるのは一般庶民であるがこのゲームにおいては誰彼問わないで処罰された。
正之助の処罰についてはあんまり触れられなかった(私の見落としがあったのかもしれません)のだが、実質敵陣の大将なので処罰の対象だわな……。
で書いたように、やはり、御三家の人々が老けないのは太歳を食べているからであって、一時的か、長期的に摂取すればそれは効果が適切に現れないか幸仁のように魔物化するのだろう。
幸仁の場合は過去と現在と未来を混在しているらしい洞窟に棲んでいたからとも考えられた。
最後の最後で幸仁は自分の心の弱さに立ち向かい
ずっとこの洞窟でいたいのか、と自分に問いかけ見事、未来を、村を、人々を救うことに成功した幸仁は最後に消えてしまった。
救いがあると言われればあるのだが、もう少しこの手段を取るのが早ければ、例えば幸仁は消えないで本当の意味で十子と結ばれる未来もあったのかのしれないと思うと、やりきれない思いがした。


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