死に至る小沢となにがあったのか。そしてざくろの死因にも触れる話だった。
宇佐美と亜由美との邂逅(真偽は不確かではあるが、彼女らの話によれば前世で会っていたという)もある。
これはのちに触れることにする。

何か独特な書き方だ。
核心に触れるのか分かんないが良からぬ気配がする。

老けているという気もする小沢裕一。
ざくろは、どうやら一種の弱みを握られていたようだ。具体的に言えば、犯されて写真を撮られていた。それをばらされたくなければ性欲処理人形になれと言われた彼女は、しぶしぶやりたくもないことをした。
散々犯された後、家に来ていた手紙。
その内容が良くも悪くも彼女、学園中の運命を大きく揺るがす事件へと発展していくのである。
手紙の内容は
- 酷な運命は明日に終わる
- スパイラルマタイという儀式をしないと、地球は20日に滅んでいく
ということを仄めかし、駅前に集合という約束を取り付けていた。
小沢は手紙に書いていたように自殺を決行したのだが、結局動機は分からずに憶測が真実となり、広まっていく。
まぁ、間宮が絡んでいるのだろう。
行人と琴美に脅迫をされているとき、一抹の救いをもたらしてくれたので感謝はしており、特に琴美には一途に救ってやりたいとまで思えるほどであった。
その熱心な介抱も空しく、琴美には何のことだか分かっていないようでもあり、脅迫や強姦に遭ってしまいこれ以上もない苦痛である。
卓司も苦痛を受けていた。
彼は、小沢から恐喝を受けていた。多分女性的な容姿、華奢な体つきが原因なのだろう。
手紙の主である宇佐美と亜由美に会う前に、音無彩名と偶然会ってしまう。これが偶然か必然かは分からないのだが、彼女はすべてを知っているように
「何のとりえもない主人公が小説には終わりがある」という同意できるようなことを言った。
恐らく、小説だから主人公が映える。現実では何の理由もなく死んでしまったりもする。人は何とちっぽけな生き物なのかということを言いたいのかなとは思う。
ざくろは、そのまるで彼女のことを何でも知っている口ぶりや行動に恐れを抱いていた。
彩音を敵視もしていたがまぁ確かに不気味だわ。本当に偶然かもしれないが、その選択により多くの人が道ずれになるという未来予知を彷彿とさせることを言った。

前世の、宇佐美と亜由美と世界を救ったという記憶を思い出す。
スパイラルマタイという、いわば飛び降り自殺をする。
世界を救うために、大いなる儀式を挙行するのであるが、やはりそれは傍からみたら自殺……。
その行為自体の恐ろしさというより異常さを2人は知っていたのではないかとすら思う。
それは、フェンスを乗り越えもう1歩進めば飛び降りてしまう場面、「死ぬのは嫌だよぉぉ」と宇佐美と亜由美のどちらかが漏らしてしまうシーンである。これは、自殺=怖くて恐ろしいモノという気持ちの表れなのではないか……。
現実的であり現実の世界は終わるという噂にもあまり乗らない。一方、ざくろは終末論を信じたし、前世の記憶を思い出してそれに沿って行動する。
また、彼女は前世の仲間としか基本に会話をしない。
多分それは救済をするためと生きる意味を探し続けた彼女なりの軌跡なのだろうと思った。
「私は世界を救う戦士だったのよ!」
という言葉にはそういう意味が含まれていて、救済=自分が存在する理由ということになる。
私は存在する理由というのは考えないことにしている。
というかそれは考える必要のないというか、考えることも所謂暇人ならではの特権ことなのではないか。
仕事で忙しく働いているときに、自分の存在する理由なんてことは考えないだろうし、理性が拒否しているというか、ここから先に議論を踏み込んではならないという境界線というのもきっとあるのではないか。
そういう意味では異常というか、精神を病んで(強姦されている時点で病んでいる可能性もある)自殺とはいかずに世界を救済するために自殺という薄気味の悪いルートでした。

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