廃病院の地下に狙いを定めた新。
敵は本能寺にあり、と心の声を信じて駆けつける。
寸前のところで、霧架とりるを救い出すことに成功した新。
りるは、耳にマイク付きのイヤホンを付けられており、その装置で指示を待つ身だそうだ。
話を聞いているうちにだんだんと莉瑠の境遇について判明した。
孤児だった莉瑠は、引き取り先が見つかり、その時ばかりは嬉しそうであった。
だが、だんだんと発達に遅れがあることにしびれを切らしてか、引き取り先の人に愛想尽くされてしまった。
たどたどしく話す様や、自我が育っていないらしく、言いなりになってしまったようでもあるし、かなり痛々しい。
そして不意に引き取り先の人たちは真赤に染まってしまった。
あまりそう思いたくないけれど、殺しちゃった…?
次に出てきたのが若い人であり、今回の郡聡子や霧架と同じ目に遭わせた事件を引き起こす。
聡子の言っていた、私は霧架のお兄さんに選ばれたのよ、という言葉が気になる…。
霧架のお兄さんがすべてを牛耳る犯人だという説も浮上してきたなあ……。

この莉瑠の表情を見る限りでは楽しそうであり、孤児院や施設では味わえなかったであろう。
溢れんばかりの笑顔からは、操り人形だったとは思わせない自我を持つ人間の表情であることが窺い痴れる。
数年後、新の家で「実の子」として生活をしていく中で、PCで自宅学習用のキットを購入してくれた礼のお陰もあり、見事に鶴羽学園に合格し、入学していく様があった。
莉瑠の境遇はあまりにも悪く、またそれを周りの大人たちが知っていても知らぬ存ぜぬの一点張りであり、看過していたということが心に重くのし掛かる思いだった。
りるの関わったことは、行方不明事件と何かしら関係があると匂わせる。

がんばってね。僕も頑張るから……。

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