季節は蝉時雨が降り注ぐ夏のことだった。
未羽、みさきと諒人は祥子の待ち合わせの道中、何やら車から○○。
どうやら血腥いことがあったようだ。
文音(あやね)は通院しているんだそう。
美羽、文音、祥子、みさきと諒人が廃工場で集まっていたのは、大人に見捨てられていたという思いを払拭するために必要な事であったらしい。
3年後。

折口美羽(おりくち みう)
どうやら、主人公、折口諒人(おりくち りょうと)の妹らしい。
元気溌溂であり、朗らかな印象を持った。
諒人は、どうやら他人の感情を推し量るのが得意というか、何かしらの能力で身につけたのだろうか。
東京から生まれ故郷の灰土町(かいどちょう)に引っ越しの最中で怒っているおじさんと電車内で会うのだが、その時は顔は見えなくなっており、顔があるであろう箇所は赤く、憤怒の色を浮かべていたことから、そうなのではないかと思った。
どうやら、家が消失したときに昏睡状態となった諒人は、目が覚めたら世界が色付いて見えるようになってしまったらしい。
ぐちゅぐちゅ
という音の謎。
咀嚼音か何かかと思ったが、昔から聞こえるみたいであった。しかも、不定期的に聞こえることでますます謎は深まる。

瓦葺(かわらふき)の屋根が風情を感じさせる。樋の形で古民家を思い出させた作りだが、向かって左の火事のような柱の残骸があるが…これは……。
父や母の様々な想いで今の結果になっていった。
身元引受人になった伯母は、東京にあった伯母さんの家から灰土町に来るように諒人と未羽に体よく促したようである。
兄弟なんだから裸同然の格好でうろつく美羽だが、それをいろいろと怪しまれたようだ。
- 美羽は、諒人を独り占めにしようとしている
- 兄弟間で…気持ち悪い
寝るときに浮かんできた、3年前の言葉が胸に就く。
「兄弟間で…気持ち悪い」というのは、クラスメイトが誰かに対して呟いた言葉だが、どうも、諒人と未羽に向けた言葉ではないのかという気がした。だが美羽は、距離感を掴めていない節のあるが、あんな事件が起こり普通にいられる方がおかしいというもので、身を寄せ合って生活をしていたのに、恰もすべてを知っているかのように言ってしまうのは、言った本人にとっては何気ない一言でも受け取った側は深刻に考えてしまうのだろう。
南禅寺の水路閣を彷彿とさせる学園の門を抜けてもまだ学校にはたどり着けない。散々歩いた後、みさきと再会を果たす。みさきは、諒人に
もしまた門を見つけたら、その時はそのまま出ていって、もう近づかない方がいいわ
と囁いた。
ビジュアルが美少女系なのに、シリアス系になりつつあるのだろうか。
ひまわり学園の名前からは、和気藹々な雰囲気があるのだと思われたが、休み時間や寮の夕飯の時間になってもおしゃべりをする気配がない。大人しい学園なのかなと思われたのだが、男性には苦手な臭気が来ておりどれで必然的に女性だけにしか入ることができない学園ができたという話である。
テレビは映らないし、ネットに接続ができない。こんな状況下では娯楽が無いのである。
文音が言うことには、低俗だかららしい。

かつてのメンバーが集まって楽しくしている。
左から順に
真乗寺 文音、真鶴 みさき、折口 美羽と摩庭 祥子
祥子の持っている人形…まなかしの優子を思い出すからやめい…w

祥子の家は資産家で増築を繰り返す内に現在のような豪邸が出来上がったようだ。その豪邸でメイドのバイトをしているのが文音。
胸が開いた格好で、いとをかし。
みさきは寮母をしている。料理を手伝ったり、数多くの雑務に携わっているようだ。
大人にとっての3年間はお腹がポッコリ出てきたとかせいぜいそんなものの変化しかないが、少年少女にとっては身も心も成長するのには充分な時間。彼女らも例に漏れず、彼女たちの心まで成長しているとはまだ断言できないが、少なくとも身体は大きくなっているようだ。
自由な学園。
ルールというルールがまるでなく、祥子も諒人と未羽が初めて登校してくるので登校してきたわけだから実質サボってもサボらなくても何もお咎めなし。
そんなひまわり学園の行ったことのない、時計台に上る。
時計台の風見鶏は時を刻まない。
そこから見える景色は美しく、神々しくもあった。
灰土町を一望できる眺めからは、今まで彼らの門から歩いてきた軌跡と大きくの差異があるような気がしてきた諒人は、不意に連れ立ってきたチロのことを思い出す。
チロは、諒人と未羽にとって、家族のような存在であるペットである。一緒に連れて寮に入る予定だったが、学園の敷地に入ると一目散にどこかに行ってしまった。
普通の学園の時計が壊れたら真っ先に修理をするはずなのに、それが一体何を意味するのか。時が完全に止まっているということは、迷い込んだ場所は異世界か、それとも冥途か。もし冥途なら、冒頭であった血腥いことが関係してくるのか。
祥子が寝たきりになっており、返事もしない母親にした、商売繁盛のいわれのある恵比寿様に施した生贄の話が気になる。あれが本当ならば、ここに存在する女の人と言うのはその生贄であり、ここは死後の世界なのか?じゃれ合ったり、喋ったりもしないで、我関せずと勉学に勤しむ姿には狂気さえも感じた。
時折、文音とみさきの意見の対立で険悪ムードになるわけが分かったような気がする。所謂、時が止まった世界で永住することを選んだ者とそうでない者との対立があったんだな。
再び再会の日々が来るなんてと思っていたのも束の間、永遠に抜け出せない迷宮でもあり、エデンなのであった。
過去に5人は大人たちから見放されていたり、親を看護といった複雑な環境があった。だからこそ、祥子は、このような現実ともいえるし、仮想現実ともいえる世界を作り出したのではないか。

コメント