友佳は園田から「役目」を言い渡されたようだった。
それがどんな役目なのかは、たとえ友人の美桜に対しても秘密ということで、私はますます不信感を覚えていった。
本人にとって幸せならその選択でいいよ、とよく人は言うのだけど、言われた側の意思とは裏腹に言う側の意思もそこに絡んでくるんだと思った。
つまり、言った側の人は「本人にとって」という体の良い言葉を並び立てて実は自分のことにしか興味がないという人なのだ。
美桜と大智の自我を衝突の結果により、二人の仲は険悪モードになる。
夜中にも拘わらず友佳から電話で呼び出しがあり、大智と一悶着があった。
引きこもりや自殺を考えるような状況になっても、それでもYesと笑えるのかはちょっと微妙だが、大智の考えることもわかる。強姦被害者の家族として、できることはいったいなにか。
私は、できることは特に何もしてあげられない、と感じる。
他人の信念を変えることは難しく、特にそれが怪しげな宗教団体やサークルであればなおさらだ。
深く陶酔している彼女にとって信仰を阻むとしてくる人間は皆害悪なのである。それは家族も同様である、
これは、第二部のはじまりかな？
友佳の身に一体何が。
園田に言われた役目の話と関係があったりするのもなのか。
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