どうやら、彼女はものかげから男の人に睡眠薬か何かを摂取させられて、眠っているうちに地下通路を通りあの廃病院の地下にまで来たようだった。
莉瑠は、何処から施設に預けられることになった。もっとごねるのかもと思ったら意外と、そういうことならと後にした。
聞き分けがいいというか、諦めているというか。
清水と名乗る学園まで雫を送り届けていた執事に
病院で使うから献血として血を分けさせてほしい
と言われ、咄嗟に承知してしまった。
実際はその血を廃病院の地下手術室に送り届けられることになった。
血液型のタイプが不一致だと最悪の場合死ぬんだが、そういえば、生きて帰られるかは運次第みたいなことも言っていたような気もするので若しかしたら、運試しという線も考えられる。
だが結局このルートでは一旦捜査は打ち切りになってしまう。

だが真相解明には至らず、まだ3人もの行方不明事件が発生している以上後には引けないところまで足を踏み入れた気がする。
後ろ髪を引かれる思いと霧架を大事にしたい思いが交差して、遂に新は捜査を止めるという決断を下す。
霧架のことを想うとやはり無理して捜査を続けることに一抹の不安というか、またあんな目にでも遭ったら今度は生きて帰られなくなるだろうとの思いで出した決断だった。
歯痒い気持ちもあったにせよ、霧架を想う気持ちを尊重したい。

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