「幸福に生きよ!」神は我々とともに歩む・・だから、死後、自分が歩いた道を見ると・・必ず寄り添う足跡がもうひとつ見つかる
人生は、寄り添う力で支えられてる・・
でもさ・・一番つらい時、悲しい時に、足跡は一つになってるんだってさ
「違うよ・・その時・・神は、立ち止まって動けない人の足そのものになってくれているんだってさ」
「そう・・立ち止まっていると思えた道も・・必ず先に進んでいる・・
まるで、羽咲ちゃんが登れないと思った、あの坂道みたいに・・
人は先に進む・・その歩みを止めることはない
たった一つの思いを心に刻み込まれて」
神様は我々に何もしてくれない。
どんな悲劇だって、どんな残酷な出来事だって…
それは作中の多くの悲劇から明らかだろう。
我々だって、生きてる上で大なり小なりの悲劇を体験してきたが、一度として神様が助けてくれたことなどなかった。
じゃあ、神様は意地の悪い最悪なやつなのだろうか?
果たして本当にそうなのだろうか?
由岐は言う、神は立ち止まって動けない人の足そのものになってくれている、と。
そして続けてこういうのだ。
「そう、命令にした刻印・・すべての人・・いや、すべての生命がその刻印に命じられて生きている」
「そうね・・その刻印には、ただこう刻まれている」
「幸福に生きよ!」
「猫よ。犬よ。シマウマよ。虎さんよ。セミさんよ。そして人よ
等しく、幸福に生きよ!」
「幸福を願わない生き物はいない・・全ての生き物が自らの幸福を願う・・
そう命じられているから・・」
「さぁね・・ただ、実際そうでしょ?人もまた・・いいや、人は動物なんかと比べ物にならないぐらい幸福に生きようとし
そして絶望する」
「幸福は、それを望まなければ絶望なんてない。あれだよ、動物が絶望しないと同じだな」
「そうだよ」
「なら、なんで動物は絶望しないんだよ」
「そんなの当たり前じゃん。動物は幸福に生きてるからだよ」
「なんだよそれ・・幸福じゃない動物だっているだろ」
「いないよ。動物はいつだって幸福なんだよ
死ぬ瞬間まで、全ての生き物は等しく永遠に幸福だ」

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