なんだか、凄いゲームだった。
拙い文章で申し訳ない。
※追記・編集をするかもしれません。
人間の二面性や狂暴化した男の性欲が女性にとっていかに恐怖を与えるのかという視点に立つと興味深かった。
欲望は、限りなく続き、しかも留まること知らず。
昔は、想像や文字だけで性的興奮し、オナンをしていたのに、今はマゾ向けな動画しか見ないし興奮もしなくなった(最近はそれを見ても興奮しなくなりました)。それと同様に、はじめはEDENの人たちも若しかしたら、ノーマルな性癖だったが徐々により過激な物を求めて、ついには人を拉致監禁という犯行に手を染めたのであろうか。はたまた、最初からそういう性癖だったのか。

ポルノ動画を隠し撮りしておき、ばら撒かれたくなかったら性奴隷となり尽くしていくしかないというリベンジポルノ。ずっと誰かに監視されているストーカー行為。おまけに、女は強姦させたがっている、嫌なら必死に抵抗するはずといったEDENの男の信念(レイプ神話というらしい)がふんだんに扱われ、女性は男性に仕えるというホモソーシャルに似た作風と感じた。この当時ではまだ法整備をきちんと執り行われなかったのかなと思った。
手品というのはタネがわかれば腹正しいものだろう
を髣髴とさせるくらいに、タネが分かると単純な仕掛けであるが、いざ自分がと考えるとタネもわからずに要望を飲んでしまうと感じた。
多くの凄惨なシーンのほかに心に深い禍根を残すゲームだったが、肉体的、精神的に追い詰められていくさまに、希望はないという感覚を覚えた。
また、愛着が湧いてくるときを見計らって行われるNTRシーンで特に強いダメージを受けた。
「夢」では佐伯祐司と鵤が浩司(主人公の兄)を川に突き落とした、という問答から始まり、ロールシュタインの回廊に至るまですべてが一筋の結末に誘う。
このゲームをしていると、昔プレイしたLOVE LETTERと好き好き大好き!を思い出す。


「好き好き大好き!」は監禁部屋から渡が住んでいる部屋と本作で登場する凌辱部屋と似ている。
「LOVE LETTER」は大学を舞台にしており、葵と瑞穂のキャラデザがとてもよく似ている。
あとは、主人公の何やら隠していた過去もあり、「支配されやすさ」という性格が実によく似ている。
あらすじ
大学助教授「佐伯祐司」は、彼に好意を持つ教え子「水代葵」と「桧山葉子」、親友である同僚の「草薙香乃」と日々を過ごしていた。
ある日、葵の弟「紫苑」に間違って教えられたURLが、「EDEN」というホームページに繋がっていた。
そのウェブサイトは女を性的に弄んだり生き物を殺したりする者たちの巣窟で、”ユカリ”なる人物が新しい”遊び”をしないかと持ちかけているアングラサイトだった。 心理学を専攻する者として興味を持った佐伯は、「EDEN」をチェックしていううちに事件に巻き込まれていく…。
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登場人物
水代 葵

大学生で佐伯の教え子。
来年の春から大学院に進学することが決まっている、深窓のお嬢様。
才色兼備で性格も明るく奔放。佐伯に恋心を抱いており、何かにつけて研究室に顔を出す。弟の紫苑を溺愛している。
水代 紫苑

姉の葵とよく似ている。
葵が紫苑のことを思ってくれているのと同じくらい、ひょっとするとそれ以上に姉を愛し、慕っている。
桧山 葉子

葵と同じく佐伯に恋心を抱いているが、控えめな性格をしている。
葵のアタックの前では影が薄い。
北海道から上京し、大学の裏にある寮で一人暮らしをしている。
あまり故郷のことは語りかがらない。
草薙 香乃

佐伯と同じ大学の講師。佐伯の唯一ともいえる親友。
男女の性別を超えて付き合える適切な仲。
タバコが大好きでいつも片手に離さず持ち歩いている。
女性がタバコをふかしているシーンのある作品は華があって見応えがある。

日比野 照子
いつでも露出度の高い服を着て、見た目もノリも軽薄。
そのため「淫乱」というイメージを持たれ、男とならだれでも寝ると言われるが、真偽は不明。
佐伯にアプローチをかける。

天野 宙(あまの ひろし)
自分は女に不自由しない…と妄語する、軽薄な男。
本人は優しさを湛えた笑顔のつもりかもしれないが、周りの人間にはニヤけた顔にしか見えない。
シナリオ

主人公視点から物語は始まり、各ヒロインの後で本作のメインともいえるマルチアングルシナリオとなっている。
つまり、各ヒロインのEndにいき、その後、そのキャラクターのマルチアングルシナリオを選ばないと僕みたいにまた始めからやり直すことになるので注意を。
メインシナリオで結末を変えると分岐のないマルチアングルシナリオに変化が起きてくるという仕様になっている。
セーブは一応残してあるが、またこのゲームであのシーンを見たいと感じたときにはまた最初からしなくてはけないのかな……。
読みやすい文章だが、ときどき誤植もあったりと、かなり昔のゲームだからその辺は……時間もなかったのでしょう。
マルチエンドでは葵が先生に抱く気持ちや、葉子が本当はどんな気持ちで周囲を見てたかについて、香乃は過去の境遇が不幸であるかについて描かれており、より深く絶望の淵へと追いやられた。
個人的な話をしよう。
葵か葉子か、それとも香乃かと問われると、僕は確実に香乃を選んでしまう。
なぜなら、過去に遭った仕打ちもひっくるめて自分で癒してあげたいと思えたキャラクターと感じたから。
それをいうんなら、葉子は?と聞かれるかもしれないが、この人の場合は、置かれた環境のせいか性格の方がすさんでおられる……。
現実的なキャラクターであったし何よりあの顔とあの眼鏡とあの服…!僕の好みとぴったり合うんですよね。
血や内臓が破裂するというゴアなゲームではなくて、プレイヤーには精神的な苦痛が多かった印象。精神を操る術をよく熟知していらっしゃると思った。
ネタバレ注意
紫苑が手渡してきたURLの書かれた手紙。それが「間違えて」と自分を納得させた佐伯だが、URLは正直書き間違えるわけもなく、たまたまあったにしろ、いろいろとおかしすぎる。
でも実際にはアクセスしたし、ちゃんとログも調べれられていた。
実に巧妙な手段だ。しかも姉に「あくあのほーむぺーじ」を作るように誘導したのは紫苑だったし、過去に佐伯はコメントを書き込んだことがあり、そこからFTPソフトを使ったんだとか。
僕は、そのページを表示したままFTPソフトを起動すると、
姉さんのHPデータがあるサーバーにアクセスした。CGIディレクトリの中にある、掲示板のログファイルをロー
カルマシンにコピーする。僕は、それを開いて、掲示板のログを見ていった。
そこには、先生の契約したプロバイダーのホスト名が書
かれていた。Tan-p65.will.ras.ne.jp
これでいい。
EDENの掲示板でこのアドレスを探していた痕跡があったのはこれか。
佐伯を探していたんだな……。そんなことも露ほどもしらずに、のこのことやってきてつぶさに情報を集めようとする先生は非常に滑稽に見えたことだろう。
EDENに情報を渡してしまったので、もう後は野となれ山となれのごとく、どれだけ抗っても救いなんてものはそこにはなかった。ただ壊れていくのを葵たちはただ待つ身だった。
佐伯の周りの人は皆、「EDEN」にアクセスした段階で徐々に離れ離れになっていき、ついにはEDENの奴隷になるか、故郷に帰っていった。
見れば、彼女達のことが書かれているかもしれない。
だが、それを知ることに何の意味があるのか?
そう、この一連の出来事は、理由を知りさえしなければ何と言うことのない、単なる別れ。
人と人とが知り合えば、いつか別れが来る。
そんな人生の1ページ。
という感じ。
- 小さい頃は、結構工作も得意だったんだ
- これはいらない、持って帰ってくれ
- 正直、彼らのような連中は、これから先増えていくと思う。
嫌でも向かい合わなければならないことなんだと思うけどね- 逃避はもっとも有効な心の防衛手段である。
臆病者であればあるほど立ち向かい、愚か者であればあるほど逃避を非難する- 世の中、知らないほうが良い事もあるんだ……どちらかと言うとそう言う事の方が多いのかもしれない。
君があまりに自分に近しいために、まるで自分のことのように考えてしまっていたんだな。
さあ下がりなさい。
そして、次に来るときはノックを忘れないように。
僕が居留守を使っても文句をいわないように。
-さようなら …… 「理性」という根拠のない衣をまとった僕。
今までの君とのことは大変勉強になった。
人間が人間であるかをここまでするんかといった感じで人間性を無くさせるための工夫もあってか、折れます。
そして「ここまでやるとは思わなかった」とクライアント(紫苑)に言われゴミ箱行きの憂き目に遭ってしまう。
紫苑ルートでは、BLというか、姉のことが本当は好きで堪らないがその思いを佐伯という恋敵に「葵になりすますことで佐伯から受ける愛を受け取る」というなんとも奇妙な展開になった。
天野 宙
ちゅうたは、「レイプしようとしたら失敗した」と書き込んでいたように思う。

始め、天野は好青年っぷりを発揮するが、実はそれには邪な欲望があった。
影で葉子を道具のように扱い、そのさまをビデオテープに録画。録画したデータをネット上にばらまかれたくなけりゃ、俺の言うとおりに服従しろ!とばかりに脅迫していく。
そして、言うとおりにしたらしたで今度はさらに要求をエスカレートしていき、最後にはポイ捨て。まさしくそれはクズの極みというやつではないか。
本作でも例にもれずに、香乃という新しい「道具」が調達できたので捨てるという鬼畜っぷり。こういうやつには豪末の遠慮も無く懲らしめてやるのが良い。拷問でもしてみるか。
一応彼のその後は触れられていたが、やや手ぬるいなと正直思った。
まぁ、香乃のお兄様が何とかしてくれる…さ。
さすがに、女の子をレイプしておいて、懲役刑を科されて終わり…とかじゃないよね?
日比野 照子
ネットの「EDEN」と実在する「EDEN」のかかわりとはいったい何なのか。
そちらのほうには、最後までプレイしたが結局わからなかった。
「螺旋回廊2」ではそういうテーマもあったりするのかなと少し期待しております。
この人の過去についてはbマルチアングルがなかったので何とも言えないが、ただ単に先生を好きになって、事件に巻き込まれたとするならば、悲劇だろう。
個人的には「僕、昔工作が上手だったんだ」と言いながら顔や体に「整形」を施すシーンが一番トラウマを覚えた。
整形と言いながらも佐伯は、葵のことを心に浮かべていた。「施術」が終わった後でも目の前にいる女性が照子だとは思わずに葵のことを思っていた。心がやられていったんだろうか。それとも、自分のしたことは心ではわかっているが、行動が伴っていない。現実を見ないで現実逃避をするさまはプレイしていて、いざ自分がこういう立場に追いやられたら現実逃避してしまうと思った。
夢
夢の結末はやはり、祐司の故意による事故だったようだ。
あの時、鵤と隣で濁流を見ていた兄さん。
祐司は、濁流が流れていたので、何の気なしに押してみた、といったところか。
小学生の時分だから何をしようとしているのかもわからず、善と悪の区別さえままならない。
まさにカオス状態。
そして、すべてがお兄さんの実験のせいにする。
自分が善。宏司が悪という意識を持っていた祐司にとって、思い出してはならなかった記憶なのではないだろうか?
だからこそ、自分でお兄さんを押したのは自分ではないと固く心を閉ざしてしまった。実際にはそのことを認知している別の自分が、宏司を殺したと認めているんだからな、という夢を見せているとすれば、積年の恨みは後に禍根を残すことになると思った。
次からは、「螺旋回廊2」、「アノニマス」へと続きます。



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