紅蓮華 (Escu:de) 【感想】

Escu:deエロゲ各ゲーム感想一覧

エロゲーだよ。
LiSAさんの歌じゃないよ。

発売日:2012年6月29日
ジャンル:妖と人が紡ぐ純愛伝奇AVG

曲名カテゴリ歌手
BLAZE MOMENT ~紅蓮浄歌~OP佐咲紗花
パッケージ版

初回盤を買ったので、設定資料集も付属。

攻略時間:33時間
攻略順:文香⇒くおん⇒沙織⇒エウスリーゼ⇒理奈⇒香夏子⇒八重⇒春名⇒アリーゼ

※そのほか、ノーマル、Bad、エウスリーゼⅡも攻略した。

ストーリー

ストーリー(展開)

山に囲まれた坂井町。
そこに祖父と暮らす遠上涼士は、ある日、奇妙な少女と出会う。

山中にある古ぼけた廃神社。
人の手は入っているものの、誰も由来が分からないそこには、大きな要石が置かれている。

石の中に居たのは一人の少女と、現実を侵食する黒い世界。

少女は涼士を切り裂き、血にまみれた口元に笑みを浮かべた。

異界化。
それは人の心に憑いて、現実を塗りつぶす黒く染まった世界。
そして、要石の核より得たのは、妖の存在を鉱物の中に封じる、石使いとしての力。

くおんを解放してしまった涼士は、事態を収束するため戦う事になる。

妖でありながら、異界を封じる少女――くおん
疎遠になっていた幼馴染――永月文香
頭脳明晰な先輩――相原沙織

そして、彼らの前に現れる謎の少女、エウスリーゼ。

異界とは、そしてこの町に古くから伝わる伝説とは果たして何なのか。
涼士は少女たちと共に、真実を見る事になる。

キャラクター

キャラクター(展開)

●遠上 涼士
物語の主人公。
幼い頃に祖父に預けられて以来、この町に住んでいる。
その事が切っ掛けで責任感が人より強いが、どこにでもいる少年の範囲内でしかなかった。
くおんと出会った事で奇妙な縁を持ち、様々な事件に関わる事になる。
体内にくおんが封じられていた要石の核を持ち、
手にした鉱物に異界とそれに繋がる力を封じる事が出来る。
その力で異界化した世界を戻していく事になる。
反対に、石に力をこめて解き放つ事も。
くおんの力の大部分が要石の破片と核に吸収されているため、もっぱらくおんの力を使う。

「いい加減にしろ馬鹿猫! 少しは常識を考えろ!」


●くおん (CV:かわしまりの)
神社の要石に封じられていた妖怪。
過去には人を食っていた鬼として坂井町の伝承に残っており、
涼士を含め都合が悪くなったら殺して食う存在と思っている節がある。
妖の存在でありながら異界を封じることを生業にしているが理由は不明。
知能はあるが気まぐれで好奇心旺盛。
人を殺すのも食うのも特に好きではないが嫌悪を持っている訳でもなく、
文字通りどうでも良いと思っている。
人の常識を遥かに超えた身体能力に伸縮自在の爪と炎を使うが、
大部分の能力を異界ごと要石に封じられてしまったため、
封印から解き放たれた直後は殆ど力を持っていない。
涼士がもつ核には自分の命とも呼べる力が詰まっているため、奇妙な繋がりを持つ事になる。
現代文明は見るのも初めてで、新しい物を見つけては興味深くあれこれ聞いてくる面もある。

「数百年ぶりの世は、うるさくてかなわぬ」


●永月 文香 (CV:秋野花)
涼士の幼馴染でクラスメート。
子供の頃に引っ越してきた涼士と知り合い、
ある事件が起きるまでは一緒に遊ぶ一番の親友になっていた。
それ以後は単なるクラスメート程度に疎遠になってしまっていたが、
事件に関わるようになり涼士と再び距離を縮めていく。
その後は食生活に乏しい遠上家にとって頭の上がらない存在。

「ねえりょうちゃん……その女の人って……」


●相原 沙織 (CV:桃井いちご)
涼士達の通う学園の学生会長。
心理学と天体観測を趣味にしており、学園唯一の天文部員。
神社を天体観測のスポットにしており、その縁で涼士と知り合い、今ではお互い話す仲になっている。
事件に巻き込まれる形になり、収束に向かう涼士達に協力をする。
沈着冷静で頭脳明晰を絵に描いたような人物だが、全ての事柄を客観視して一歩引いている面がある。
人間の心の歪みや傷が現実世界に露呈する異界化事件は、彼女にとって興味深くもあり畏れでもある。

「へぇ。興味深いわね」


●エウスリーゼ (CV:夏野こおり)
くおんと敵対している少女。
何を目的にしているのか不明だが、異界化を収束させようとする涼士達と目的が異なる様子。
くおんが他者の生死に興味が無いのと反対に、巻き込まないために無関係の人間を遠ざける節があるが、
それが目的のためか性格によるものかは不明。
御目麗しい女の子だが過去にくおんと戦った事があり、推定年齢は数百歳を超える。
現代社会にまぎれて暮しているため、生活に関わりのある物は一通り使えるが、基本的には苦手。

「あの女との付き合いはやめなさい。身を滅ぼす事になるわ」


●アリーセ (CV:佐々留美子)
エウスリーゼに付き従う女の子。
涼士に何もさせずに手玉にとるだけの戦闘力を持ちながら、行動は気まぐれを通り越して適当。
街中にふらりと現われては、涼士にたかる事もあれば、その場のノリで手助けをする事も。
主人であるエウスリーゼの命令は聞くが、それ以外では何を考えているのか分からない。
主人と違って現代文明に詳しく、携帯の操作も得意。
有名な週刊漫画雑誌は一通り読んでいる。

「ありがとう。お礼にリーゼのパンツあげ……やっぱり何でもない」


三田 春名 (CV:上田朱音)
涼士達のクラスを受け持つ担任の先生。
小柄で優しい外見をしているが、しっかりしており厳しい所のある先生として知れ渡っている。
教師というより、みんなのお姉さん的なポジションだが、本人はもう少し威厳を持ちたいらしい。
行動力があって努力家だが、そのために年配の教師からは少々浮いた扱いをされている。
とある格闘技が大好きで、たまに試合を見に行く事も。

「遠上くん。何があったのか分かりませんが、困った事があったら先生に相談してね」


飯塚 香夏子 (CV:宮沢ゆあな)
涼士達のクラスメート。
文香の親友で、涼士達と疎遠になった後の文香をいつも引っ張ってきた。
明るく活発でクラスのムードメーカー。
運動が得意の体育会系。
家は農家をやっており、日ごろから畑仕事を手伝っている。

「ちょっとちょっと、おにいさんっ。ここにいい子がいますよ」


●久那崎 理奈 (CV:鶴屋春人)
涼士達のクラスメート。
物静かでいつも文庫本を開いているような文学少女。
家が地元の資産家で付き合いの長さだけなら文香や直人と並ぶ。
ただ、文香達ほど親しくしていた訳ではないので、関係は単なるクラスメート止まりでしかない。
貧血持ちでたまに保健室に行く姿が目撃されている。

「遠上くんはいつも変わらないね」


●八重 (CV:白月かなめ)
涼士の祖父が不在の間に、穂邑神社の管理と清掃をする事になった巫女さん。
寂れた神社であっても、巫女服を着こんで仕事を怠らない真面目な人だが、
どこかずれた一面も持っている。

「これだけの社が捨てられているのは、勿体ないですね」


藤岡 直人 (CV:小次狼)
涼士のクラスメートで幼い頃からの親友。
勉強以外は頼れる男を地で行く存在。子供の頃は文香も交えた3人でよく遊んでいた。
涼士との関係はその頃から変わらず、お互い今でも一番気の合う関係になっている。
異界化事件が起こってから、休みがちになり行動がおかしくなった涼士を心配している。

「お前らの仲が戻ったのはちっと安心するな。幼馴染として」


桂木 恭一 (CV:柚木ヒロ)
学園の先生で寡黙で厳しいと有名。
すぐに宿題を出す鬼教師として知れており、
休めば休んだだけ課題が増えていくため学生から恐れられている。
その姿を機械的として煙たがられる一方で、受験を控えた学年からは好意的に見る学生もいる。
学生時代は剣道に打ち込んでいたが、事故で竹刀を振るえなくなった。
今では顧問をしている。

「授業は真面目に聞かなくてもいい。ただ、やるべき事を忘れるな」

広告

感想

グラフィックが凄まじい。
くおんが出現したときに出てくる妖気が細かく表現されていた。

異界=人の深層心理だという解釈やバイノーラルBGMということらしいのでそれを含めて新鮮でした。

ただ純愛と言われるとそういう要素もなくはないが、相いれない獣と人同士がどうやって立ち回るのかに重きを置かれており、純愛要素は低いように思う。

フローチャートで進行度が確認でき、選択肢を間違ったとしても前の選択肢に飛ぶことも容易であるため、攻略自体は簡単(ストーリーに没頭できるかは個人差あり)。

くおんは何百年と封印されてきたので、世間知らずであり、常識が通じない。
しかし、主人公の涼士にこの世の常識を教わるうちに、徐々に打ち解けていく。
その姿が実に微笑ましく感じた。
選択肢の分岐点があり、僕の選んだものとは違う一面も見えたりしてなかなか面白く感じました。

世の中にあるものは全て朽ち果てていく。
無残にも理不尽にも。

くおんを見つけて・・・

裸状態のくおんを発見した文香。
くおんは、涼士の幼なじみである彼女を攻撃すれば、涼士にしたのと同じように自分に跳ね返ってくるのではないかと考えて躊躇してしまった。咄嗟に、くおんは宙を舞って逃げる選択を取ったのだが……。

逃げた先が「涼士の部屋」だったとは…w
しかも半裸状態で。

本作がアダルトゲームなのに抜きゲーではないと思うのは、性行為なるものがあまり描かれていない部分にあると思う。
今までプレイしてきたゲームだと、半裸状態にある女性を見るとアソコがそそり勃ったというテキストがあるだろぉが!
あくまでも理性的に事をなそうとする主人公には一抹の男らしさが漲ってくる。
この場合は自分を狙ってくる”くおん”でしたが、それでも異界の破片を集めたいという利害の一致で涼士と絆が生まれた。

人の心を映し出す鏡である”異界”。
目に見える物は真っ黒にうごめくように見えることから、外面上は綺麗に取り繕っているが、人の心は激しく歪んでいることの暗喩なのか。

外面如菩薩内心如夜叉を思い出したわ。

永月 文香

人の視線に対し、極度に敏感でいつも人の目線にビクビクしていたが、異界に憑かれたときから人の目を気にすることが無く、反骨精神あふれる女子高生になったという。

怪我の功名と言えるがそれで彼女自身が困っていなければ別にいいのではないか?という気もした。

だが、彼女も何かしらの縁があり、異界の封印を解く礎となったのかなと思ったのは涼士と文香が幼かったころ、穂邑神社ほむらじんじゃの要石の目の前で怪我をしてしまい、要石の破片が彼女の体内に入り込んだという記述を目にしたからになる。

くおん

声優さんの演技力がすごく高い。
終盤のくおんが消滅しかかっている辺りとか特に神がかっている演技だなと思った。

今の生活をくおんは気に入っており、それを壊したくなかったのかと思う反面、流石は妖怪。人を喰らうシーンもある。
実のところ、人はエサであると認識していたので、致し方ない。
認識が変わってからは自分のことを後回しにして涼士らを守ろうとする一面もあり、いと可愛らしいと思った。

人間という一面を持つが本来は穂邑神社に祀られた要石に封じられていた妖怪である。
そんな彼女は、八重を鎮めたときに確かな手ごたえを感じ取っており、力を取り戻したようであった。

心を温めるようにくおんとの情交をした。ごく自然な流れでする情交には抜きゲーとは明らかに違う性なる悦びがあった。

エウスリーゼ、八重と久遠(くおん)はかつての神社一帯が「神が宿る地」とされていたときからの顔馴染みであった。
子猫として生を受けた久遠は時代を経るにしたがって、鬼と呼ばれるような姿へと変貌を遂げていた。人間から集まる目が、審神者から鬼へと変わるときの失望感は如何に失望したことだろうと思ったら案外、何とも思っていない(というか歯牙にもかけないと言った様子)ようで、もともと人間ではないし、勝手に崇拝し勝手に離れていくので、仕方ないという他ない。
人身御供を捧げなければ異界に取り込まれてしまうのを防ぐために、あえてスケープゴートの役目を担っていたのだ。

相原 沙織

天文部部長。
とはいっても部員は沙織のみだったが、文香と涼士が天文部に入部したことにより、賑わいを見せるルートもあった。本ルートでは涼士のみが天文部に入部することになる。
友好的に話はするものの、どこか雰囲気に翳りがある。

異界に取り込まれた沙織だが、涼士に封印していた意志を以って救われたが、彼女にはあまり現実に戻りたくない事情があった。
深く入り込んではいけない絶対領域なるものが存在しているわけが判明。
母親との関係がうまくいっていないというものだった。

お世話をしているという意味では、上手く母親を演じている。
だがそれは表面上だった。
気丈に振舞っているがその裏ではそういうことが行われているのかと思った。
涼士はその見かけ上の関係を打開するための策を講じることになる。

また、このルートでは同じ日を繰り返す。
涼士、エウスリーゼとアリーゼに関しては繰り返された日常を覚えていることから、記憶が完全にリセットされていることはなさそうでもあるし、些細なことではあるがその日に行ってきたことが展開に影響を与える。
色んな事があっても最後には蛇に襲われて再びループの起点に。
ここはもうすでに異界の中にいるのではないか。

さらに、シュレディンガーの猫の理論を軸に、異界が重ね合わせによって引き起こされているのではないかという独自の考え方をするあたり、博学な人という印象を持った。

両親の喧嘩を他所にベランダに出て、夜の空を見上げた時、綺麗な星空が見えていた。
星座の知識をのめり込んでいくことで、限界に差し掛かっていた心を少しでも安らかに保っていたようだ。
現実から逃げることに躊躇いはあるけれども、そういう境遇に置かれていた私には、現実逃避をすることに躊躇いを感じるというよりも現実味を帯びた形となってきた。
そんな境遇では心に鎖を付けて感情を外に出さなくなっていくものなのです。

多分、彼女の心は過去の鎖に縛られて、がんじがらめに縛られている状況なんだと思う。
涼士には檻として見えるが、沙織にとっては自分を傷つけてくる世界から身を守ってくれるものであった。
MOTHER3で登場してきたポーキーの末路みたいな…?

ポーキー(「MOTHER」シリーズより)【任天堂図鑑】 – Nintendo ...

桂木先生の過去や怪我の理由が分かったとともに

「人は一度決めた道を歩くだけではない。何度も諦めて新しい道を探して、未来に繋がっていく」

という言葉は桂木先生の過去を知ったからこそ心に響くセリフと思った。

エウスリーゼ

くおんとは犬猿の仲かと思ったら、協力し合う場面もあったりとかでいまいち立ち位置に定めがない。
エウスリーゼとアリーセの関係が夫婦漫才でも見ている気分で笑えた。
当の本人たちにとっては笑えないところが笑いを誘うのですよw

エウスリーゼ、アリーゼとくおんの見た目は若いが実を言うと、一般人ではとうの昔に死んでいてもおかしくない。
年齢と見た目のギャップの訳が、異界に囚われているからではないのか。

やや上目づかいの表情。

心に棲みつく悪魔のような異界。
エウスリーゼは異界に憑かれないので

自分は心を持っていない

と悩みを吐き出すのであったが、心の所在はそういう悩みを持つことに依存すると思うので、彼女は心を持っているじゃないだろうか。

そんな彼女の願いは故郷を目指すことであった。
しかしその故郷は、現実に存在しておらず、理想郷であった。
複数の人が同じ幻想を描き、ひとつの世界を創っている。その故郷はそうしてできたのであり、彼女の欲していた”居場所”でもあり、それは大勢の人の夢や思いが創った世界であり、きっとこんな人たちがいるんだとみんなが想像してできたところなのだという。

彼女は、そういう現実と離れた夢を追っている節のあるわけなのだが、異界の出現において蛇とともにエウスリーゼ②が異界の主として襲来してきた。
自分自身との闘い。
自分自身だからこそ躊躇することを狙ってのことか、あるいは自分を斃すことにより、自己嫌悪することを狙ってのことなのかは分からないが、ともかくエウスリーゼや、くおんと比肩して互角以上の闘いを見せるエウスリーゼ②。

去るときは人目を避けるくおんの姿には武士のような清々しさを感じた。

【望郷】Endでは、協力関係を結んだ涼士とともに故郷を探しに行くというものであったが、その故郷を探すのは困難というか無理だろうな……。

【お互いの道】Endでは、くおん・涼士とエウスリーゼ・アリーセはそれぞれ別の道へと邁進する。
そしてそれから幾百年が経ったころ……。

久那崎 理奈

活発だった幼いころと比べて今では教室の隅に佇んでいる少女であった。
重い病気に罹り、その後遺症により貧血で走ることや長時間移動することはできない身体になってしまったことで、彼女はある想いをちゃんと伝えておけばよかったと後悔する。

その想いに答えてあげるのは、その想い人である涼士の務めである。

ストーリ自体は緩やかに進んでいき、感情が揺さぶられることも少なかったが、現実味を帯びており、昔の想いをずっと引きずっているという意味では共感した人でした。
このまま大人になり、涼士と恋人・婚約をすれば淑女みたいで高貴な女性になると予想。

飯塚 香夏子

二重人格なるものが現れてきた。
その人格は香夏子が憧れていた女の子っぽい姿であった。
喋り方や振る舞いは淑やかであり、涼士もそれとは気付かなかったという。

何者かになりたいと人は願うが結局、人は自分自身と向き合い克服するべきものなのである。

『ドラえもん』の”かげがり”を彷彿としたが、香夏子たちは自分たちの知らない一面を見出し、それを克服できたのか知らぬ間に消えてしまった。

抑えられていた欲望が膨らみ、分身という異界を創っているならばいっそ本能の赴くままに行動すれば良い。

八重

蛇ににらまれた蛙のごとく、何かに憑かれ操られるのかしら……?

異界である穂邑神社に行くと、なぜか、行こうとすると何かに行く手を阻まれて先へと進むことができないという事態が発生。
異界は心の隙間に憑くとされているので、心では何物も入ることを拒んでいることの表れと感じた。
自分が何もしないで停滞している時間。そうして過ごしていくうちに心身共に慣れていき現状維持をするのは予想しやすいが、それでも明日が欲しいという表れなのか、彼女は涼士と交合したことで現状に満足するより明日を掴み取るために満足するように消えていった……。

三田 春名

格闘技が好きという普段目にすることができない先生の一面を見れた。

もしも過去に戻ることができたとして、今ある立場を失ってもいいのかどうかで葛藤しており、その葛藤している状況から動けなかった。

小学生だったとき、いじめられていた少女がおり、いじめを黙認することは正義感が強かった彼女にとって、それは許せなかった。
先生に報告し事なきを得たかのように思ったのだが……。

そういう経緯があって「忘れてはいけない」思いがいつしか「忘れたくない」思いに変わっていった。
その心境の変化は、春名が忘れてしまえば、いじめられていた少女の思いまでもが無駄になってしまうことを恐れたか。
過去、自分が犯したことに対する罰とでもいうべきことなのでしょうか。
「過去」は「過去」であり、失った時間は取り戻せないが、思い出とともに涼士と生きていくことに決めた。

アリーセ

エウスリーゼに付きまとっているが、強制されたことではなく、アリーセは「目的」のために生きているのだという。
エウスリーゼが故郷を見つけるために行動するのに対し、目的がないアリーセは宙ぶらりんの状況であり、迷い児状態なのではないか。

涼士を外見や身分などで見下すような人間ではないと判断した彼女は、くおん・エウスリーゼが蛇を追いかけて彼方に旅立っていくのを皮切りに親密になっていく。

目的を持たなかった人が、ついに目的を見出し、暮らし始めるシーンは「親離れ子離れ」を表しているではないかと思った。

コメント

タイトルとURLをコピーしました