沙希の相手とはどなたなのだろうか。
ヒロなんだろうか。
客観的に見れば、ヒロは良い親友やバイト仲間に恵まれて幸せ……なんだろうね。
だが、ヒロにとってみれば恋人が亡くなった事実だけでも辛くなってしまう。
ヒロは記憶が混濁していて、何がなんやらわかっていない様子。
頭では沙耶が亡くなったという事実は把握しているが、心はそれを望んでおらず、試合の後にご飯でも行く約束のことを言っていた。
沙耶は……
の後に続く文章。
違うんだよな……。
そして、学校に行くヒロ。
それは、恰も自分を鼓舞しているかのように思えた。
伸二朗の、柚月さんのこと……大変だったよな……という言葉の時に音優さんの声が小さくて聞き取りにくかったのは、ヒロの聞きたくないという心理状態を表しているのか。
精神錯乱状態にあるようですな……。
沙耶の姿が見えないことは、2人だけで昼ご飯を一緒に食べる行動を共にする、儀式の一環であるからして、沙希にそのことを伝えてみたくなったという所か……←
そして、その約束事をヒロは懸命に守り続ける。
まるで、自分の存在意義を確かめる、そんな気さえも沸き起こってくる。
