王女様の名前はサルテといい、どうやらジャンという近衛騎士とは切っても切り離せない固い絆で結ばれた仲のようだ。
マリーは辺鄙な教会のシスターのような立ち位置でこちらのかたとも仲が良い。
しかし、ガルニエとは仲は良くはないみたいで、恭しくお辞儀はしてくれるものの、そこに敬意はなくただサルテが王女様だから仕方なくしているという雰囲気がある。
陵辱のあとで歩み寄ってきた影の正体に気づいて、絶対に許さない、とサルテは言う。
こういうように誰かに裏切られてしまうのはよくあることなんだが、動機やら誰がしたことなのかを知りたい。
マリーにも同じことを言われる。
ということはマリーとサルテの共通する知り合いということになる。もしくは、サルテは誰かに唆され、何らかをやらされていたのか。
まだ正直、城やこの国の内情までは知らないので、いい加減なことをいうわけにはいかないが、サルテとジャンはおそらく許嫁関係なんだろうか。サルテは部下には慕われているっていうわけじゃないみたいだ。よくない噂などを聞く、と部下たちも語っていたし。
物事には陽と陰があるように、サルテも同じだと思った。