感想:館と聞いて購入しました。
館を舞台にするエロゲといえば、「Dark Blue」や「死に逝く君、館に芽吹く憎悪」などが挙げられるのですが、その中でも特にシナリオに馳せる思いが挙げたゲームとは趣が違っていました。
ほかのゲームというのはバグシステムであったり、LiLiMであったりするので、それなりに凌辱シーンがあるわけです。
しかし同じブランドから発売された「ふぃぎゅ@メイト」をプレイした範囲では凌辱系ではないのかなという印象を受けました。
最近、凌辱系はちと苦手になってきていまして……。
ビジュアル
会話の節々で?マークやため息をついている動作が出てきて、より一層愛くるしさを感じました。
序盤
「狂乱」
篠崎紅葉の住む館で暮らしているマリーゴールド、ローズマリー、ラベンダーやブラックベリーと出会う。
また、アマリリスという、夜に見回りをするキャラが登場してくる。その他のキャラの睡眠は深く、ローズマリーが言うことには、ナイフで胸を刺されても起きないらしい。
そういう器用に見えて少し、お茶目なことで愛くるしさが込み上がってきて、全員を抱きしめたいという気持ちを味わいました。
中盤
「妬心」
与えられた名前がメイドらに与えられた役目であると同時に何かに巻き込まれていく気持ちを味わい、この館では一応禁じられていないが誰とも連絡を取れる人は心にはいない、閉塞感を感じました。
ただ、序盤はただひたすらに文字を眺めるのみであり、感情が平板化した。
プレイ時間:25時間
プレイ順:おおよそ決められていますが
プロローグ→共通→エリス→スミレ→フィリエル→ノワール→True
で攻略しました。
オープニング曲:ファムファタル
エンディング曲:フルリ
公式にSSが公開されているので、読んでおくといいかもです。
キャラクター紹介

マリーゴールド CV:花月さや
身長:165cm/ スリーサイズ:B89(E)/W65/H88
館で出会う金髪のメイド。
役割は客室メイド。
温和で礼儀正しい性格。
人に喜んでもらう事に喜びを感じているが、客が訪れない館では黙々と仕事をするしかなかった。
主人公の仕事に興味を持っており、普段読まない小説を 読み始めたりしている。
「マリーゴールドと申します。お客様。なんでもお申し付けください。私で叶えられる事であれば、何なりと叶えさせていただきます。」

ローズマリー CV:乙倉由依
身長:151cm/ スリーサイズ:B71(C)/W45/H68
館のメイド長。
明るく社交的。誰とでも仲良くなれるが自らの立場を意識しており一線を引いている。
ときおり冗談ともつかない言葉を口にするが、基本的に嘘はつかない。
館の仕事全般に通じており、メイド長としての仕事が無い時や朝の配膳など
人手が必要な場では一緒に働いている。
掃除洗濯料理から書類仕事まで何でもこなすが、
館のメイドならば全員同じことが出来るとは本人の弁。
「お客様、紅葉館はいかがでしょう。不在のご当主様の代わりに、誠心誠意おもてなしをさせて頂きますわ。」

ラベンダー CV:霧島はるな
身長:152cm/ スリーサイズ:B74(D)/W48/H74
館で清掃、洗濯を一手に担う洗濯メイド。
中庭の管理もしており、作業量が多いので彼女の周りでは他のメイド達の姿を見かける事も多い。
他のメイドとは意匠の違うデザインのメイド服を着ている。
彼女が私物で持っていた着物をアレンジして今も使い続けているらしい。
内気で物静かだが、好奇心が強い。
館の外の存在である主人公に興味を持っている。
中庭の植物たちを大切にしており、我が子のようにかわいがっている。
「お客様の目を楽しませる事が出来るなら、それが喜びです。この子たちもこうして綺麗に育ってくれて嬉しいです。」

ブラックリリー CV:ヒマリ
身長:145cm/ スリーサイズ:B64(A)/W43/H57
館で出会う黒髪の料理メイド。
食事を一手に引き受けており、メニューも和洋問わずほとんどの物を作る事が出来る。
植物についての造詣も深く、ラベンダーの庭園管理は彼女の手解き。
見た目は最年少で言動も無邪気だが、実年齢は結構高いとの事。本人も否定していない。
人懐っこくて元気が良い。
外の人間である彰に対しても物おじせずに仲良くなる。
テレビや現代の小説は全く知らないが古典文学には少々詳しい。主人公が作る『物語』に興味津々。
「この花畑は私たちとお兄ちゃんの秘密の場所。 だからいつでも来ていいよ。好きな時にね。」

アマリリス CV:金松由華
身長:162cm/ スリーサイズ:B88(E)/W61/H86
真っ白な色彩を持った自称、館の夜番。
昼は姿を現さず、夜間にだけ出会うことが出来る。
日光に弱い体質らしく、昼間は光の差さない自室で休んでいるとの事。
薬や占いに詳しく、彰の体の様子を看る事も。
「せっかくですのでお客様。占いなどはいかがでしょうか。」

黒井 宮子 CV:赤月ゆむ
身長:158cm/ スリーサイズ:B80(D)/W57/H82
紅葉館の近くにある喫茶店の看板娘。
平日は学園に通い、放課後と土日は自宅である喫茶店『くろねこ』でバイトをしている。
訪れる館のメイドを『マリィさん』と呼んでいる。
体を動かしたり友達と遊ぶのが好きな一般的な女の子。
小説を読むのは好きではないが、最近由香の影響や主人公と知り合った事で小説に挑戦している。
「いらっしゃいませー。あ、先生。いらっしゃい。ご注文はなんでしょう。」

日下部 彰
身長:175cm
本編の主人公。22歳の若手作家。
学生時代にデビューをして賞を取ったが、 その後はあまり奮わずに行き詰まりを感じている。
祖母の訃報を知らせるために残っていた連絡先に 電話を掛けた事で『紅葉館』に関わる事になる。
館で依頼された仕事は二つ。
ひとつは客として滞在をする事。
そしてもう一つは館を舞台に物語を作る事。
新しい環境に、やりがいのような物を感じている。
「謎めいた洋館にメイドさん。 作家としては好奇心をかきたてられる題材だ。」
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日下部彰はプロの作家でもあり、分かりやすく(?)ストーリーが完成に至るまでの経緯を説明するのだが、やはり他のキャラたちには???が残ったようす。
そんな彰と売れっ子作家の電話で興味深い話があった。
「ある館に迷い込んだ一人の少女がその館で会った人というのは実は幽霊であり、すでに亡くなっていた」という都市伝説じみた話だった。
まことしやかに囁かれる都市伝説が、この館での出来事か、世迷言か。
みんなが好きというのは思入れがないからこそ出る言葉であって、ハーレムという男の桃源郷をぶち壊しにかかる彰の言葉には胸が抉られる気分になった。確かに言われてみればそうかもしれない。
プロローグEnd
「夢幻航路」と「醒めない夢」の2つがある。
夢幻航路では、館で「お客」として暮らしていく傍らで小説を書く彰。長らくの期間ヒット作を世に出せなかったとはいえ、やはり登場人物の心境や境遇など様々なことを記述する能力に長けていた彼は『メイプルリーフの花園』というヒット作を執筆した。それから長い期間が過ぎ、白髪が目立つ頃になり、あの館から着信があった……。
怪奇現象とはまさにこのことであろう(若干ネタバレ含む)。
なんせ、幾年が流れ彼自身の頭髪は白くなっているのに、メイドたちの姿はあの頃のままになっている。
おまけに、メイドたちを惨殺したのであろうか。少なくとも惨殺された遺体があり、なにか途轍もないことに巻き込まれていくような気がした。
というか、登場する人物は、モブキャラではなく、全員が関係する話であり、そこには何か意図を感じた。
醒めない夢では、夢幻航路とは打って変わって快楽の限りを尽くすのであった。
そこは、「夢」の出来事だいう自己暗示を残して。ついに作品を作り上げた様子はまるで、ファムファタルを事細かに再現しているかのようだった。
共通End
メイドはこの館に住む人と同時に家具である。
そのことを考えないようにしていくが、アマリリスに何か良からぬものを飲まされた彰は、淫欲の限りを尽くす。猛り狂ってしまった肉棒を孔に出し入れする。何かに操られていたかのように。
そして、不慮の事故でラベンダーが手に傷を負ってしまい、そこでラベンダーの役目を別の人に頼むようにしていった。ラベンダーがブラックベリーになり、ブラックベリーにはローズマリーがなるという具合に移り変わっていく。役目が切り替わっていくことで、一抹の物悲しさが伝わってくる。
顔と名前というのは、その人をその人として認識させる個人情報ともいえるので戸惑いを感じずにはいられなかった。
そんな彼は、編集からの電話によりこの館から出ることになった。このEndでは無闇矢鱈と人のことを詮索するのはよしたほうがよろしいのではないのかという気分と、作中に描かれていなかったが、無事に作家として功を奏し、館に舞い戻ってきた彰と対峙するメイドたちの光景を想像すると、ひどくいたたまれなくなった。禁断の扉を開けることで更に、奈落の底へと突き落とされるのではないかと疑心暗鬼になってしまった。
次いでノワールルート解放後に見れる共通End③では、ノワールの意志に背いて館を出ることはできないのかなという思いがした。動物の肉と言っていたが果たしてそれは本当なのか。
カニバリズムのような臭いが漂ってくる。
ごく一般の精神なら、この選択が最適解なんだろうが、本作でBad扱いかな。
各キャラEnd
狂乱と狂う。
それは同じ言葉のようで実は違う。狂うとは普段なら自制をして行わないことでも、たかが外れると奇行蛮行の状態に陥ってしまう。それに対して狂乱は、その状態を自覚していないということ。
見事、ローズマリーの本名がフィリエルという情報を手にした彰は狂乱からは脱したようであったが、一抹の疑問が浮かびあがる。ほかのメイドたちはなぜうち明かさないのだろうか。
マリーゴールドは日下部様のためを思い、お伝えしていないとのことだった。
また、町長さんは現状維持と言った。
現状維持などない。なぜなら自分が成長しなくても時間だけは過ぎていくからだ
という「車輪の国」での法月将臣の言葉を思い出してしまった。
この言葉とほとんど同じことをこの町長さんも仰っていた。
メイドたちにはそれぞれ愛称とともに、能力を持っており、例えば、フィリエルは「服従」、エリスの「狂乱」、スミレの「妬心」、アマリリスの「真実」などである。
『真実』というのは時に毒となる劇薬なのです。
迷っている人の足元を照らす光となる事もあれば、暗闇に突き落とす障害となる事もあります
という言葉が好きですね。
迷ったときに、真実を聞かされると光を感じて前に進めるのか、あるいは真実を知らされることで失望の心が生じて後退するのか。変化がない状態であったメイドたちに変化をもたらす彰は選択を強いられる。

エリスEnd
エリスとスミレしか選択肢もなく、スミレの場合は伏せられていたため条件が満たさない限り、選択することができない。
その村であった祭りの発展と衰退。その背後には一体何があったのかというところに着目すると状態が不変であることが必ずしも良いことではないと分かる。
アイリスという少女は、共通Endの終盤でマリーゴールドと似た美貌を持つ少女だろうな……。
あの子は少々不慣れで…云々…
とかも言っていたし。
メイドたちにはある秘密が隠されていた。
その秘密とは
種子という人の体を土として根を張り、女の体を花としていつか咲くことを夢見ている魂の形。いわゆる不滅であり、実際、心臓を一突きされても生きている。

エリスは、昔には家族がいたようであるのだが、それすらも奪われ、強く憎しみや持っている者に対する狂わせる能力が生まれたと思うと鬱々とした気分を味わった。
スミレEnd
スミレの過去も壮絶だった。
これで少しだけ謎は解けた。
結局のところ、フィリエルから聞いた話では、上記のことと百合子(亡くなった親族)が深くこの館に芽吹いていたことや彼女の持つ能力「妬心」についてのことなどが分かった。
老いるのが恐ろしく、またそれを邪見に扱ってくる周囲の人々に憐みの目を向けていたのか、などと想像すると、当然ではあるかなという感想。なぜなら、アヤメ(スミレの母)からもらった着物を飾っているのを見るとそう思ったからである。執着の心は人を惑わすこともあるし、人をかたどる良い薬にもなりうる。
執着を手放せとよく人は言うが、執着を手放せれば、自由である代わりに何か大事な物を失ってしまう。家族、家、服、お気に入りのフィギュア、プレミア化してしまい高騰してしまったエロゲ…etc
挙げれば枚挙にいとまがないほどである。それにいくら掛けたのか、とかで執着の心は一層に晴れることのない曇天のように、執着はいつどんな時にでも現れてくるのだろう。執着を無くすにはどうすればいいのかは、有名な心理学者に任せるとしておいて、問題はその執着の自分にうまく向き合えることができるのかに焦点が割かれていたこのブログ。さてゲームの行方は……。

居場所がないと感じたスミレは他者の心に自分の居場所を求めた。
アヤメとの思い出を振り返る最中で朧気ではあったが、かけがえのない思い出をちゃんと彼女自身は持っており、妬心に支配されるあまり、それすらも忘れていたようだった。
その思い出した記憶を糧にこれからは妬心ではなく、幸福に近づくために生きていってほしい。
フィリエルEnd

誰よりもメイドや喫茶店を経営しているマスターや宮子の機微を感じ取っていたらしく、自分には何かになろうとしたことがなかったのだと言って、自分の心の内を明かした。
この悩みこそが、長らくの間彼女たちを縛り続けてきた種子との別れ、果ては自分が自分としての自我が生まれた瞬間である。
Bad かなと思われるEndでは、最後に「望む物は手に入った?」と自戒にも似たようでいて、彰のした行為を嗤うようでもあった。
ある儀式を執り行うことになるのだが、その様子を見守りつつも、『悠刻の少女たち』を完成させ、読み聞かせする。
その場面で、親が子供に寝かしつけするときのような感覚を覚え、とても穏やかな気持ちになった。
亡くなった祖母、百合子の話も出てきたのだが、すばらしくて、ここで書くのは憚られる。
ノワールEnd

今気づいたのだが、起動画面に花が植えられている。ローズマリー、マリーゴールドとリリーかな……。
一見すると一番親しみやすい容貌をしているが、それはほんの泡沫のような姿でしかない。
何なら彼女はそういう意味では、この館を探し出そうという密かな望みは叶えられたことになる。
こういうキャラがまさかすべてを牛耳る存在であったことは、エロゲ界ではもやは定石とも言えるが、すべての伏線を回収してくるあたりやはり、好感触は否めなかった。
True End

犠牲となる悪を必要とし、その対象は弱い者へと狙いを定める。
だからこそ、ノワールは人に対して信用はしていなかった。だが、その思いを拭い去る人物こそが彰なのだろう。
伝奇と言われると、狂気が不足している気がするが、それぞれのキャラと触れ合うことで人間の本質を模索していく作品かなと感じた。
だが、物語の序盤にあった、残虐なメイドたちの遺体と身に覚えのない日記の謎についてはBad Endという扱いでいいのだろう。



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