やはりこのゲームは、登場人物の心理をよく表現できているなと思った。
あと攻略に、本当に手間がかかった。実は、マルチアングルというのを忘れており、基本ルートを攻略したあとでは見ることができないEndがあり、全クリとはならないので、また1からプレイしています。
結末は変わらないが、心情が見て取れる分、絶望感をより味わった……。
あとこのマルチアングルルートではセーブ数が20に増えたということでまだ親切なのか。
水代 葵
紫苑から紹介されたSKコーポレーションという会社は実在するのか。
おそらくはしないんだと思う。プレゼントが届くような描写もなかったし、佐伯の家にカメラを仕込んで葵とのベストショットを撮ったビデオ等、あまりにもタイミングが良すぎる。
葵は天野が西棟でカメラを携えてナニかを撮影しているのを目撃した。
まぁ、そこから後は……。
いかに彼女が佐伯のことを好きであったのかが語られる。
もちろん最初は大学の助教授ということもあり、レポートに合格点を出してくれない意地悪な先生という印象でしかなかった。だが、毛嫌いしてくる先生もいるから佐伯は良いほうだよ、という葉子の助言や、ふとみせる佐伯の優しさに触れ、徐々に惚れていくさまが愛おしく感じた。
そうした関係だからお互いを好きだと気付くまでに時間が懸からなかった。
そして凌辱シーン。
あんなにも信頼していた先生のイチモツが挿入されていく。
それは、葵の心を蝕み、自分の記憶を書き換えるのに充分すぎた。
私を昨日抱いたのは …… 征服感…それを満たすためだけ …?
…… 私にキスしたことも…
私の手を握ったことも…
私に向けられたやさしい瞳も ……
…… みんなすべて…何もかも …… 信じていたのに ……
…… 私…信じていたのに ……
…… 本気で先生のこと愛していたのに …… 信じた私が ··…
…··· 悪いんですね …… 先生……
アクアマリンの指輪を手にしたが、本当は病院内にずっといたという事実は僕の心に禍根だけが残り続けた。
初めは、彼らの言いなりになることで一時的に暴力から逃れるため、服従を演じていた。だが、次から次へと押し寄せる苦痛と快楽の狭間で次第に心が病んでいき、自分が一番欲していた先生との時間でさえ見失っていく。人間の心とは、脆いのだろうと再認識させられる。
全てが終わりを告げ、一旦帰宅した際に全てを知っているような口ぶりと態度を見せる紫苑の姿があった……。
桧山 葉子
許せない。自分だけがこんな目に遭って。しかもそいつは自分の好きな相手と懇ろになっている。自分と彼女とでは持っているものがあまりにも違い過ぎる。
おそらく、佐伯に惚れていたのは葵よりもかなり早かった。
佐伯に近づくためには、目の前にいる「敵」を倒さないといけないし、葉子はどうやら葵に対しては自分の欲しかったものや、欲しいと感じている佐伯を奪っていくことで葵に対する歪んだ友情をお持ちのようだ。
そういえば、彼女は委員長を務めていたみたいだが、「EDEN」に書き込まれていた、
恵理子は、うっちの委員長を務めるなど、美人で頭脳明晰で、なにより清楚なイメージの方です
の一文が気になる。委員長なんていくらでもいると言われればそれまでなんだが、ゲーム内で登場しているので無関係とはいかなさそう。
実際に、こういう行為をさせられていることだけあり、もしかして、ちゅうたは葉子だけでは飽き足らず、ほかの女にも手を出すのでしょうか。
部屋の間取りは、和の造りである。
たが天袋(天井部に設えられている収納棚)にもカメラが仕掛けられていたりしない?
すべてを見逃すまいと設置されたカメラに心の安寧さえ許してくれない。実家に帰ろうとするが、何やらトラウマを感じているようなのだ。
半可通がそんな安っぽい言葉を使うんじゃないよ
と大森となえさんも言っていた気がするぞ。
。
一番憎いのは「彼」なんだが、それを巧く誘導させることで「佐伯」か「葵」のどちらかを憎いと思わせる。
私が欲しかったのは……先生…あなただけなのに……。
結局、新しい玩具ができたというので捨てられてしまうことになるのだが、目を覚ますと針金で縛りつけようとする葵の姿があった。その傍らには……。
もう一つのEDでは、策謀に打ち勝った彼女は今まで優秀だった葵が凋落していくのを愉しんでいるという後味の悪いEndでした。
丁寧に育てた花を見知らぬ相手に根こそぎ取られてしまい、その人から「これを育てたのはあなたなの?」と言われ、持っていかれる心境と、好きだった相手に奪われてしまう心境と同じなんだろうな。
草薙 香乃
天野との飲み会についてきた二人は、無理やり連れてきたのでEDENと無関係だろう。
勘違いしてきた天野という醜悪な男。顔だちは、それなりに良いみたい(僕にはフツメンくらいにしか思えなかった)だが、かなりの粘着質。彼は、香乃に
僕がこれほど好きなのだから、君も大好きなはずだ
とばかりにキモメンっぷりを発揮。
そして香乃は襲われそうになり、羽交締めをすることにより一時的に離脱できたようであった。
だが、勘違い系の拗らせ男子の天野。行動は違うが性格は僕と瓜二つなんだよな。
誰だって偶然そこにいるだけで、本当はそこにいる理由なんて自分で見つけないといけない
と巣鴨睦月さんも言っていた気がするよ。
ま、偶然にも席が隣になったり、偶然にも目が合い意識してしまうのはわかるが、それを実行するのとはわけが違う。
そこから始まる凌辱劇を思うと「EDEN」の人物は多分この時にもう結集していたのか。

おぞましい痛みに快感を感じる自分が存在していることに気づくほどに責め苦を受け続けていた。お養父様に受けた仕打ちと今まさに受けている仕打ちと重なっている。
愛情に飢えた少女は、成長するとともに内に愛されたかった欲望が歪んで「奴隷」となる道しるべとなっていった。
そうして深みにはまっていき迎えるのは地獄の深淵なのか、或いは快楽の楽園なのか。
彼女は、人に見放されたくない思いを持っており、それを今までは隠し持っていたのでしょう。だが、それが剝がされると、ご主人様と呼べる人なら何でもしますとでも言いたげに奉仕する様はとても不憫にも思えたし、なにより彼女の家庭環境が悪すぎた。
あと、兄の浩司という人物も登場した。なぜエンディングの前に携帯電話があったのだろう。もしかして、浩司やその運転手も実はEDENと深いかかわりがあるんじゃないだろうか?過去に香乃が養父から受けた拷問の数々を知っている口ぶりで話し始めたのを鑑みると、そうとしか思えん……。
パチ、ポジトロン、マスター(web masterのことだと思われます)や、ちゅうた(こいつ…)が出てきた。まさしくEDENの掲示板で出てきた連中なんだよね。
そして、前述の通り、「醜悪の男」やられるのか、佐伯という新たなご主人様に拾われるのかという選択になるのかと思いきや。彼女は本当の意味で救われるときは随分と先の話になるようだ。
何せ、ちゅうたから弱みを握られ、EDENの人たちに犯され続けるとは……。
まさしく終わることのない饗宴という奴だろうな。
ご主人様と恋人との二重生活か……。
自分がどれほどあらがったとしても、屈強な男たちに囲まれて、輪姦されるとたちまち人の心は脆く萎びていくんだろうなと感じた。
水代 紫苑
久留米という紫苑の通っている学校の先輩に良いようにされている。
それはまるで、性奴隷のように。
久留米自身、恋人がいるのに喧嘩をすると、決まってこういうことをする。
そして
奴隷にしたら彼女もこういう行為に慣れてくるだろう
と。
Ending ①
平和だった。
姉に向けた紫苑の欲望を抑えた。
姉も一人の人間だ。誰かを好きになろうとも、それを弟がしゃしゃり出て妨害することは潔しとしない。
だからこそ、姉には良い相談相手になろうという心安らかな気分になった。

Ending ②
お姉さんを思う気持ちはわかるが、独占し明らかに好き合っている二人を引き離すのか。
どす黒い欲望と執着が渦巻いている。
自分は一切手を出さずに、後でその手柄だけを横取りするのね。
これが歪んだ兄弟愛なのか。

もうこれ以上は何も言うまい。
Ending 3
このルートは一番最後に残しておいて正解だったのかも。
久留米という先輩もEDENに一枚かんでいると思ったが、そうでなかった。
紫苑の姉と紫苑が似ているということもあり、紫苑を葵に見立てて性行為をする。
まるで僕は姉で姉は僕だ、みたいな感じ?
ソファーで寝ている葵の口の中に入れるのか、それとも入れないのかをもう一人の「紫苑」が出てきて二人で戦を交えるシーンがあった。その辺を見ているあたり、このルートは最後に取っておくほうがよかったのではないかと思った。


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