一見すると魅力的に思えるかつての仲間たち、折口諒人、折口美羽、真鶴みさき、真浄寺文音と摩庭祥子はエデン(ラビリンス)と呼ばれる空間に紛れ込む。少女たちと暮らしていく中で過去と向き合うというのがこのゲームのストーリー。
これで物語は終わってしまうのである、というまるでこの世界に登場してくる人形のように、この世界では牛耳る何者かによって監視下に置かれている…というのはどうやら私の思い違いであったようだ。
中でも特に、みさきの水着姿にはドキッとしてしまった事は否めない。
またシステム面で言うと、続きからというロードを選択して…云々…という手間が省けたのと、ショートカットキーの設定がいろいろと弄れた。
絵も含めて申し分ない。
あらすじ
昏睡から覚めると、主人公・折口諒人は、世界が色づいて見えた。居候していた伯母の家の都合で、諒人と妹の美羽は3年ぶりに生まれ故郷の「灰土町」に戻ってきた。
そして5月という半端な時期に、「ひまわり学園」へと転入することになる。
そして5月という半端な時期に、「ひまわり学園」へと転入することになる。
「わぁ──なにこれ」
季節は5月。
まだ早いにも関わらず、学園の通称の元になったひまわり畑には、
大輪のひまわりが咲き乱れていた。
「ねぇ──知ってる?」
「季節はずれのひまわりは、生徒たちに幸運をもたらすんだって」
だが教室は望外の幸運に沸き立つでもなく、静かなものだった。
諒人は、彼らにどんな色も認めることができなかった。
かつて仲良しだった女の子たちとの、3年ぶりの再会。
人里離れた学園を舞台に、友人たちとの穏やかな時間が流れていく。
こんな生活がいつまでも続くものと、誰もが思っていた。
そう……永遠に。
3年前の夏、仲良しのグループはバラバラに砕けてしまった。
その砕けたカケラの一つ一つを拾い集めたとき──
壊れた少女たちが胸に抱く闇、そして愛に、諒人は触れることになる。
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結婚について、男女が生活を共にすることなのか、あるいは愛情があるのかについて触れられる部分があり、それがメインテーマなのかなと思ってみれば、過去に思いを馳せるヒロインたちの思いがこのエデン/ラビリンスを作っているということで、昔を懐かしむ思いでプレイしていた。
トラウマを克服していく過程において窺えるその為人が分かり興味が惹かれた。

全てがキメシーンみたいに、色鮮やかに描き切っているのが内側から湧き起こってくるものがありますね……。
序盤はこういう様に少し歪な関係を諒人が間を持って何とか関係性を維持していた。
どのルートを選んだとしてもグループは解散する。今までは、諒人が女の子みたいな容貌ということもあり女の子5人グループという感じが友人という関係になった。そして互いに深く干渉せず、最後まで協力を惜しまずといった関係には好感度が上がった。
みさき

これだけで飯三杯は余裕だった。
魅力に溢れたボディーだが、それをある男に強姦未遂された。対峙するときのことを思って、懸命に竹刀を振る姿があり、諒人と同年齢のはずなのにお姉さんという感じだった。
また強姦未遂だが、犯そうとしたのは事実。そしてその犯人は肉親である父親だったのだ。
彼は、表向きの誠実な大学教授とは裏腹に、小児性愛の持ち主であったそう。みさきを未通女のまま放置した理由は彼の一物が入りきらないというか、欠損してしまい怪我を負ってしまうことを恐れてのことだったという兄の話もあった。あまりにも残虐非道(本番行為はされていないが少なくとも彼女の心に深い傷を残す結果となってしまった)に辟易してしまった。青葉に塩とはまさにこのこと。
だがそこは、鬼畜ゲームとは違う点だろうな。鬼畜ゲームだったら裂けることになってもお構いなしに知らぬ存ぜぬを付き通すこともやぶさかではない。大学教授という肩書で助かったというべきか……。
目が悪かったのを放置していた理由は現実を見たくなかったから。視力を矯正するということは今まで自分が見過ごしてきたことに都合の良い解釈や物語を歩むことに繋がっているとし、現実に戻ったみさきは、遂にコンタクトを入れる。
遂に、現実を直視したわけか。
文音

メイド服姿とビキニ姿に飯三杯はいけるね。
現実に戻りたくないのではなく、現実に戻れないと言った文音はある事情を抱えておりそれが足枷になっているようだった。
運命はいつどうやって転ぶのか分からない。しかし踏み出した運命はドミノ倒しのように歯止めが利かないものである。
3年前、付きまとう麻由紀に憤怒した諒人は彼女を突き飛ばしてしまう。だが、思ったより強く押しすぎてしまい転倒、結果としてヒールを追ってしまった。そんなもんだから千鳥足のように思える足取りで歩いていったのは想像しやすい。
ヒールを崖から落とし、拾おうと試みるもそこで足を滑らせて壁の底に激突。
はじめは、文音が錯乱状態になり突き落としたと思ったが、別段そういうこともなかったようだ。ただこの結末は、なんというか双方にとって後味が悪かった。
麻由紀が若干怖かったこのルートですが、文音さんが作り出した虚構の姿だったんだろう。化けて出てきたとはちょっと違うけれど、罪悪感が一つのキーワードになっているのかなと思った。
最後には、麻由紀はすでに亡くなっており自分が交通事故で昏睡状態に陥っていることに直視して蘇りを果たした。
『枯野抄』を読んでみたくなった。
美羽

フリル付きのビキニとガーデニング姿に飯三杯は余裕。
彼女は、諒人が好きでしょうがないという思いを抱えていたわけではない。
どうやら諒人と一心同体だと思っていたようだ。そのいわば半身ともいえる諒人が第二次性徴期を向かつつあり、彼がほかの女の子と喋ったりするのが嫌というか、別々の存在としてみられるのが苦痛で仕方ないというわけだった。
麻由紀の事故や自分の家族がどういうように変貌していったかについて滔々と語った。ヒロインたち全員に対して言えることだが、なんというか、訊かれなかったから言わなかったというのはそこはちょっと教えてくれよ!頼むよ、という感じで後から口にすることに重要なことが隠れているんだなとはっきり分かった。
折口一家は、家族ぐるみで旅行に行ったこともある。だが両親間で諍いが絶えなかったという。旅行に行くことで私たちは仲良しです、と諒人たちに知らしめたかったのか。或いは、本人たちもその思いに浸っていたかったからで健全な家族としての威厳を保つことができるからではないかと思った。
どうやら原因は父の多額な借金と母の不倫にあったのでないかと喧嘩のときに聞こえてきた断片的な発言があったようで、多分そうだろう、と諒人。これが本当なら荒んだ家庭環境だな……。荒んだ家庭環境の中でも、
「あなただけをみつめる」
という向日葵の花言葉を教えてくれた父親。母親と険悪モードであるが、子供に対しては温和な父親を演じていた、ということなのか。
子供にとっては、家庭が少し歪んだ雰囲気というか、ぎくしゃくしている雰囲気はちゃんと理解出来ているものである。
家庭は、子供にとって時には、かけがえのない家族と過ごす時間であり、時には居場所となる物であるはずなのに、家庭がこうなら、いずれは両親が死ぬ運命にあったこと、間違いない。ところどころで、我慢の限界というか、心が一杯一杯であって綻びの多く見え隠れしている。
それまでは諒人と一体感があったというが、今では美羽は、身体に起きた少女から女性になる変化で心境の自分でも気づいていたようだ。彼女は、女性として諒人に愛されたいという気持ちになり、これまでの態度も葛藤からくるものであった。
美羽の心には罪悪感という足枷が深く罪過となって深くのしかかるが諒人とともに解決!
祥子

はにかんだ笑顔と水着姿に飯三杯は鱈腹OKだぜ!
だが笑顔とは裏腹に、ある意味、腹黒なのかなと思った。まだ祥子をプレイする前で真相に辿りつけていなかったからからもしれんが、心張棒のある扉の向こうに、苦しい……と呻き声を出している黒いゴミ袋があり、その中には人形と言えども生首があったり、それを見たと知らされても、あっけらかんとした表情を見せた。
度肝を抜かれる展開だったが、これもまた意味があるのである。
実は、その男こそがレイプしかかった犯人だという。彼女はその男を捕まえて、拷問にかけたという。

最期は、心安らかに亡くなったのだろう。
物語の中でだろうけれど。
諒人

あの時の男の人が死んだ理由は、練炭自殺であり、遺体を損壊したのは祥子だという。
そしてどうやら、その遺体をお父様代わりとしてお母さまの元に連れていったらしい。祥子の母親がまだ喋れるとき、母親に見ず知らずの男の遺体を見せた。母親はその亡くなった仮の父親を見て、ここぞと言わんばかりに大変心を躍らせた。
あなたお帰りなさい、とでも言わんばかりに。
だが実の父親は海外で単身赴任をしているときに、何者かによって殺されたという。
はじめ、この家族にはただならぬ何かが隠されているのだと思ったし、若しかして祥子の家族ごっこに両親は付き合わされているのかしらと思ったが、確かに偽りの父親を父親だとしたけれども、偽善と言えばそれまでかもしれんのだが、慈愛があったのかもしれなかった。
みにくいモジカの子を彷彿とさせる色眼鏡を使い、様々なことを把握している諒人は昏睡から目が醒めたときに開花したその能力自体も虚像である。
本当に狂っていたのは、ご両親が死んだ数日間、部屋に籠りきりになっていたが、躁状態にでもなったかのようにひまわり畑に行ったという諒人だったのだろう。
そして両親の死に一つの物語を作った。最期、火に焼かれる母と父は抱き合って死んでいたことから、和解して死んでいったのだという諒人の考えとは違い、祥子や美羽はとっくの昔に事のあらましを理解していたようだ。彼らの最期は、武闘家のするポーズを取って死んでいき、犬死していったのだという医学的根拠で現実を見せつける。
この作品をして、良い思い出は大して無かったが「あの頃」に戻りたい。漠然とこの時期に戻りたいというわけではなくて、今が辛いのでなんとなく過去に戻りたいという気持ちがふつふつと湧きあがってきた。
だが
現実を捨てて、作られた世界でずっと生きていく……そんなことはできっこないから
という文音の言葉で、今を生き抜くしかないんだという気持ちになれた。


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