「さよならを教えて」や「終ノ空」と並んで三大電波ゲームとして知られる本作。
三大電波ゲームの中では唯一、DL版に移植や再発売もされていない絶盤となっている作品なだけあって、価格はプレミア価格だ。
僕は20万円ほどで買いました。
次は「書淫」を買いたいものですが、さすがにもっと高額(今の価格では本作と比べて40万円ほど跳ね上がる)。
プレミアゲームというのは流行り廃りの権化でもあるし、20万円という高額を払ってプレイするのなら、探せば自分に合うゲームも見つかると思うのですがね^^;
高い値段を払ってでもプレイする。それがエロゲーマーなのか?
そもそも、本作は市場に出回った数が少なかった。
一言感想:アルミオイルを敷き詰めれたシェルターや何度も現れてくるテキストのため電波系が先走っている。
電波ゲーか?と言われればう~んと悩んでしまう。
自殺というテーマなだけに電波じみた感覚だろうし、波動とか言っちゃって何してんの?と感想は持った。
一応、首尾一貫しているような、いないような……?
それを電波ゲームとすれば、本作も電波ゲームだろう。
・プレイ面
快適にプレイすることができない。
頻繁に動作が止まり、カーソルは緩慢になる。特にカーソルをゲーム画面外に出すと動作できない。この間は、パソコンの再起動やタスクマネージャーも立ち上がらず、正常に動作するために数十分ほど待つ必要がある。
・シナリオ面
自殺云々の話があり、「ジサツのための101の方法」の通りだ。
哲学的な言い方をすると世界外自己投出と呼ぶみたい。
被投性の考え方。「ある日突然、世界に投げ出され(誕生)、そして再び世界に戻る(死ぬ)」を採用すれば、われわれが住んでいる世界と別の世界があり死ぬと別の世界に連れ戻される……?
あんまりぴんと来ない話だが、こういった理解しがたい話がある。
・セーブ数:7
上書きをしていくか、一気にプレイしていくかのどちらかですね。
加えて、バックログ機能がないので、もう一回見たい文字があれば再ロードする必要がある。
機能性が悪い(2001年だから今と比べての意味)やシナリオが難解であることから一般向けでないことは明記します。
興奮したシーン:錦城による手コキやフェラのシーン(最後に画像あり)
面白かった問答:妄想と現実の区別がつかないときのシーン
教授「同情するよ」
拓司「同情なんかいらない!答をくれ!現実と妄想の線引きをくれ!答だ!必要なのは答なんだッ!」
OP曲:ヒカリ
ED曲:シアワセノサガシカタ
ヒカリは反社会的な歌詞だな。
シアワセノサガシカタは希望を与えてくれるような歌詞だな。
プレイ時間:10時間
前述の通り、ハプニングが頻発したのでこれほど経過しました。
これで、三大電波ゲーム、コンプリート!
良ければこちらも見ていってください。
一部、何を書いてんだよと思うところもありますが(今もかw)ぶっちゃけた意見はそんな訳の分からん話でいっぱいなのです(?)
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ストーリー
虎菱拓司は自ら「灰色」と名付けたノイズを聞く。
ノイズの正体も分からず、やがて拓司はノイズの中で”妄想”と”現実”に揺れ動かされ、ついにはその判別さえあやふやになっていく……。
”妄想”と”現実”、”生”と”死”。
それらの間に挟まれ、揺り動かされ、ついには自らの”現実に生きている”ことを求めるに至る。
兄に隠し事がある義妹。
アクティブな幼なじみ。
可愛い外見とは正反対に冷めた美少女。
オカルトな行動に走る不思議な同級生。
大人の魅力を振りまく美しい女教師。
いろいろと噂のある男子生徒。
個性あふれるキャラクターたちの、ストレスを抱え圧迫されつつ精神的に追い込まれていく、不思議な物語。
(パッケージより抜粋)
登場人物
虎菱拓司(とらびし・たくじ)
主人公。
『灰色』と名付けた謎のノイズ音の幻聴に苛まれ、現実に現実味を感じられず生きている少年。空虚な日々の中、謎めいた少女『なたね』に出会い、自殺波動に始まる異質な世界観に関わっていくことになる。現実と幻想の区別がつかない日々を送っており、彼の一人称視点のシーンはいくつかが改編された内容となっている。
「死んじまおうかなぁ」が口癖。
虎菱早桃(とらびし・さもも)
拓司の妹。
拓司の両親が再婚した際に来た少女で、血縁関係は無い。その為、拓司は少なからず彼女を異性として意識してしまう時があるようだ。
ブラコンかつ気弱な性格で、その為かクラスメイトにいじめを受けている。
月代カンナ(つきしろ・かんな)
かつて自殺しようとしたが死にきれず、それがきっかけで「美しい死に方」を求めて生きている少女。自身の生命を実感する為、猫にビニール袋を被せて廃墟の屋上から落とすという奇行を繰り返している。
高飛車かつ傲岸不遜な性格。
神凪紅葉(かんなぎ・もみじ)
拓司の幼馴染。
明るく活発な性格をした少女で、言動の節々にエネルギーが満ちている。
拓司は彼女と自らを照らし合わせ、ある種の憧憬の念を彼女に抱いている。
雲居なたね(くもい・なたね)
言動の全てがミステリアスに彩られている少女。
成績優秀で「天才少女」とも呼ばれているが、『宇宙人に拉致され強姦されたことがある』と謎の主張をしており、宇宙人の侵略に対抗せよという趣旨のビラを生徒達に配っている。
自殺波動に対し、真実とも荒唐無稽ともつかない知識を備えている。物静かで淡々とした性格に見えるが、自らの知識を披露する際には別の顔を見せる。
御堂俊一(みどう・しゅんいち)
不良少年。暴力沙汰から麻薬の売買・売春まで、あらゆる犯罪行為を尽くしている。
取り巻きの不良を数人抱えており、現在はなたねの『地球防衛』に力を貸しているようだが…。
END
- 紅葉
- 早桃
- カンナ
Endがある。ただし、それぞれのBAD Endを見ないとCG回収は100%にならない。
自殺志願者である拓司は、自殺電波なるものが学校全域に来たらしいことを”なたね”から聞いた。この時期までは死んでやろうかな、と言っていたのに、死が目の前に迫っていることを知り、生きたいと渇望した。
多分そこには、死が身近に潜んでいるかを知り、陳腐な自分となってしまうことを恐れたのかと思った。というのは、テレビ番組に出演していた何も知らないコメンテーターが自殺についての意見を言ったとき、拓司は一笑に付すとともに、心の中で月並みに死ぬことに対して、恐怖を感じたというような記述があったため。さらに、自殺をファッション化して実行に移していたのではないかとの指摘には自己憐憫や自己嫌悪といった感情が先んじて現れてきたためでもあったのかなと思った。
他の同級生が自殺したのに
拓司、紅葉、カンナが自殺しなかったのは
自殺したい本能を併せ持っていたから。
もうすでに体内に耐性ができており
自殺波動(自殺衝動)に打ち勝ったのかと感じた。
ワクチンみたいなイメージ。
早桃は従兄弟に従っていた。ということで自殺をしようとは思わなかったのではないか。
人間はエロスとタナトスという、生の本能と死の本能が共存しているのだという。この平衡が崩れたときに人は精神がおかしくなるから自殺してしまうのか、どちらかでないかと思った。
自分という”歯車”を無くしたとしても、世界は変わらずに回り続けている。
世界中は自分というちっぽけな存在を置き去りにしても前に進み続けているという事実。幼児性万能感が抜けていないであろう事がこの部分でわかってくる。
なたねは、独白(後述)の最中
どこかへ走ってゆく汽車の
全財産ぶんの切符を くださいな
どこかへ走ってゆく汽車の
全財産ぶんの切符を おねがいですからくださいな
どこにいくかなんて しりません
ただもう わたしは
ここからはなれてゆきたいのです
という謎めいた言葉を残した。
誰もいない何処か遠くの場所に行きたいと願っての言葉なら、自己の存在すらも消し去りたいという清々しいまでの自殺願望だ。
『教授が語る世界』『なたねが語る世界』と『学校に籠城する世界』が綯い交ぜになるが、創造主は拓司なのだということを思い続けた。結果、教授を消え去ることに成功。
おそらく、自分の世界から邪魔と認識したものは消え失せる仕組みなのか。はたまた、自分の記憶を消去したとされる教授を呪い殺すためにあえて、そんな手段を取ったのか。
教室に籠城すること9日目から秩序が崩壊してくる。
元から歪であったのだが、御堂や錦城の2人がシェルター内を自分たちの思うように支配する。錦城は女教師である。
終ノ空で似たような場面があり、教師は一度ほだされるといとも簡単に洗脳されてしまうものなのかと思った。
早桃
元来、普通の女の子として扱ってほしいと思っていた早桃は妄想の中で”ドルチェ”という喋る猫を飼っている。脳内フレンドならぬ、”脳内キャット”というものだろうか。喋るドルチェは耳から羽根が生えており、一言でいえば奇妙だろう。

始め、ドルチェはイマジナリーフレンドみたく、早桃が思ったことに返答した。
彼女は「普通の女の子として扱ってほしい」という思いが先行して禁断の手段に打って出る。
その時から徐々にドルチェは、よそよそしくなっていった。
→早桃の妄想の中でドルチェが喋らなくなったのは彼女自身を見返ることなしに独断先行し、自分を見失ったからではないかと思った。
救済Endは、ドルチェを見つけたから、やっと本当の自分を見つけ出すことに成功。彼女の救済に繋がったのだろうと感じた。
紅葉
紅葉は、拓司が過去に置いてきた思い出なのではないか。
拓司の記憶は15歳当時のときのまま停滞しており、紅葉が「思い出」と知ると、彼の中にあった思い出はいつか必ず消えてしまうということで、ホントの世界に戻れば彼女自身のことは忘れると言っていたからだ。

救済Endは、拓司の中で秘めていた記憶であるから、単なる思い出からかけがえのない思い出に置換することにより、紅葉は拓司のいる世界に存在することを許されたのではないかと思った(?)
紅葉が拓司にとって、思い出ならばなぜ彼女は消えないのか?
さっきのことと重複してしまうのですが書くことにする
かけがえのない思い出となった彼女は彼に、いつ消えてもおかしくない思い出から「消えてほしくない思い出」に認識されたことで「存在を許された」のか。
さよ教のまひるみたいな人だな。
カンナ・ゆき
拓司とは、屋上から袋詰めの猫を屋上から落としているときにばったり逢ったというのだ。
その儀式に同席し8匹目の猫を自由落下させていたとき、拓司は勃起した。
なぜという疑問はさておき、この儀式は、「自分が今確かに生きている」ことを実感するため。
リストカットをしてしまう人は、生の実感を得たくてリストカットするというのを聞いたことがある。それと同じようなものなのか?
彼女は死を
この世界にはどこにも属しない呪われた場所があり、そことここを隔てる錆びた門を押し開いてくるものであり、日常と共存しない非日常の中にある。生の一部だとは思えない
と定義した。
一方で拓司は
死は、現実と比べれば理解しやすいものであった。
死こそが、自分が選びうる最高にドラマティックで美しい物語ではないか?
灭色の世界に怠惰に生きることに、死のカタルシス以上の価値があるのか?
世界を失うことを恐れないのであれば、死もまた、恐れるに足りないのではないか?
地面にたたきつけられる袋詰めの猫。
手首から流れ出る血。
死こそが、唯一の方法ではないか?
救済の方法ではないか?
と、まるで生きている世界に居場所がない状態で、夢遊病患者だとでも言いたげな定義だった。
現実味がないこの世界で生きるよりも、彼は「死」を所望する。
拓司はドラマチックに死ぬことに対して強い憧れを感じるようだ。
そういう人を何というか知っているか?ナルシストというんだ(法月将臣の言葉をいじってみました)。
自分が一番したいことをしてから死ぬのが一番いい。
でもそれだと、一番したい事は一体何でしょうかね?
もし、自分が一番したい事をしたとしても、人間の欲望は果てしないのだから死ぬ機会を失って生き続けてしまうのでは?と思った。
その無限の連鎖を食い止めるための手段として自殺なのか。
独白の中で彼女は若葉ゆきと交際する。
一見ごく一般的な交際だが彼女らには秘密があった。
- 歩道橋に上って袋詰めの猫を落とした
- 父親が絶対的権力者であった
ことをゆきはカンナに告白する。
袋詰めにした猫を落とすことで生命の躍動を感じ取っていたようだ。
加えて、暴力的な父親を持ったゆきはカンナと死ぬか、それとも父親を殺害するかの選択を強いられる。父親を殺害するか、一緒に死ぬか。どちらを選んでも父親は奇跡的に一命を取り留めた。カンナは、この事実を
人生は喜劇だ
とか言っていた。
人生とは、逃げられない檻に閉じ込められているかのような感覚に包み込まれていく。
そして、死に追い付かれたときこそ、まことに死ぬのだと。
しかし、カンナは自殺未遂ではあったが生きている。常にゆきのことを念頭に置きながらであるが。後追い自殺でもすればよいのであるが、死にたいが死にたくないという屈折した思いを抱えていくことになる。ゆきの役割を拓司に置き換えることでカンナは拓司をゆきと認識していた。

救済Endでは、彼女は微笑んでいた。彼女は、ゆきの姿を見た。そして彼女は救済されたのだ。
謎めいたEndだが、個人的な感想は
ゆきのもとに行きたいと思っていた彼女は「死ぬ」ことで彼女に会えたのではないだろうか。それとも、拓司をゆきの姿に投影することで会うことに成功したのか…?
いずれにしろ、これといった結末とは限らず、幾通りもの推察ができるのが本作の醍醐味だろう。
なたね(ナタネ)・その他
なたねは宇宙人に襲われた少女。
夢に出てくる宇宙人は夜な夜な淫らな行為をしてくる。そしてその宇宙人は叔父だった。
目に映るすべての人に対して恐怖心を植え付けられた体験は彼女を「電波少女」に変貌させた。
本作が電波ゲームというべきかどうか悩むといった感想は、なたねの過去にある。
なたねは宇宙人にいかがわしいことをさせられたが、その事実を忘れようと逃避に走った。
その結果、電波少女と揶揄されるようになっていった。
誰も信用しなくなり、誰からも信用もされなくなった。
ナタネは、なたねの本来あるべき姿なのだという。
叔父にレイプされず、選択を誤らず、勉学もこなす姿だ。
人生は過酷なゲームで結果は参加者とは別のところで決められているのだ。
そしてやり直しは利かない。ナタネはゲームをやり損ねてしまった。
このやり取りで切なくなりました。
徒に、宇宙人が地球を侵略したことを吹聴したのでない。彼女にとっては事実そのものだろう。おそらく、事実が捻じ曲げられており、ほかの人たちは敵(宇宙人)に見えていた。
誰しも道を誤りたくない。偶然何かしらの事情を抱えてしまった彼女を思うとやるせなさでいっぱいになった。
プレイ中にメモ(ふと思ったこと)
- シェルターから抜け出した場所が廃墟同然だった
⇛創造主たる拓司がまだ未完成であり、本調子でなかったのではないか? - あれだけ死を所望していたのに、いざとなれば生を所望する
→自殺者はよりよく生きたいからこそ、安寧の地に生まれ変わりたいから自殺するという説がある
⇛その策ができたのではないか?
あるいは自分が大事にしたいと思っていた人が自殺して、生きている実感を得たのではないか - 死にたいが、たいていの病は克服できてしまう
⇛自殺をすることで生命に”終わり”を告げる
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