放っておくわけにはいかない、とそう思った大智はいざ声をかけて、何とか思いとどまってもらおうとする。
実際には、路地裏に移動して説得するという流れであった。
虐めは、未だ続いており過激さを増していると思うのだが、それにも屈しなかった。
あの人たちは他人を貶めることでしか満足できない可哀そうな人たちなんです
と言い放つ。しかしその様子をいじめっ子三人衆とそれぞれの彼氏に見つけられ、大智と共に拉致されてしまうことになった。
目に余る心音の態度は、いじめっ子の反感を買うことになるのだろう。反感を買われた挙句いじめっ子三人衆とその彼氏に惨いことをされる。

強姦はもちろんのこと腹蹴り、子宮に電球を入れて腹蹴り、水責め。
そして最期にはバールのようなもので……。

惨いことをされてもなお笑う精神力

心音は、幸せといえるのだろうか。
いじめに遭い、最期には脳みそを引きずり出されて亡くなってしまったが、死ぬことが唯一絶対の救いであるとすれば、それは救われたということなのだろう。
結局その救いとやらは、まやかしなのでは?と私は思う。
だが仮にまやかしだったとして一体何が問題なのだろうか、私は他人にどう思われようと救われたのだから、後は野となれ山となれのような心音の気持ちが見え隠れしていた。
舞子以外の奈津美、理恵はここまでひどいことをすることは乗り気ではなく、特に奈津美に至ってはあまりの惨状に吐いた。
そう考えると、諸悪の根源は舞子なのではないか。彼女は、実質的な権力者、おそらくここでは、ヤクザ者の彼氏だろうが、往々にして他人を上手く操る力を持っている。
加害者側も些細なことをきっかけにして被害者側になってしまうことを恐れ、自分が悪いことをしていることに目を反らしてただ舞子の命ずるままにいじめ続けている。これが、いわゆる学園生活におけるいじめの構造だと思う。対象者をいじめたいと思っているのはごく一部で、過半数の人たちは苛められたくないから従うか、波風を立てられたくないから見て見ぬ振りをするかの2択である。それが、被害者にとってはすべてが敵なんだという考えに繋がる。

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