【マゾゲー】夢幻廻廊 2 ~螺旋~ (Black Cyc) 感想【追記あり】

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ついに「夢幻廻廊」ともお別れのとき。
今こそ 別れめ
いざ さらば
あなたは幸せですか?
ねぇ、君は、それ以上何を望むの?

一言感想:最後のたろ自身の煽り文句、僕らが過ごしている日常のことであり、しがらみ、嫉妬などそういうものがある世界で過ごしている人に向けた言葉には正直ウルっときてしまった。この無間地獄に住まう我らに楽園をください、たろ様ぁ!!
だからこそ、人間は安寧を求め、神や仏に縋りつくのか……。

高野たかの の山に身をとどめ
救いのみ手をたもう おしえのみおやに
帰依きえしたてまつる
願わくは 無明長夜むみょうじょうやの闇路をてらし
二仏中間にぶつちゅうげんの我等を導きたまえ


「たろ」は、どんな屈辱的、苦痛を伴う行為でも「しろ」となら乗り越えられると固く誓うのであったが、はたして。
外の世界では仲間と言える人はいなかったと「たろ」自身は思っているようだが、プレイヤーからすると、トモがいるではないか。彼女は女装していたタロを見つけたのだが、彼が危惧していた、クラスメイトに流されるのではないかということもなく、事情を聞きたかっただけというのが心苦しいところ。

かとるは、かとる同士でしか意思の疎通をしたがらないし、お嬢様方には「ご主人様」という線引きがされているように感じた。
まるで家なき子のように、トモが助けに来てくれても屋敷に戻る。
たろにとって、幸せや救済というのは灰色で何も色付かない街よりも屋敷にいた方が良かったのだろう。いっぷという、言葉が通じない者同士が分かりあえる絆があるからこそ、再び屋敷に戻る。

『ショーシャンクの空に』でも似たようなシーンがあった。

娑婆の世界に戻ったが、その暮らしは監獄で懲役されていたときの方が良いと感じるくらいに素気無い人々で溢れており、その様を感じ取った元囚人は自殺してしまった……。

娑婆とは、欲望が渦巻く者が住んでいる世界のことで、もちろんわれわれが住む世界のことだろう。

しかし、われわれは娑婆に暮らしており、この世界が娑婆だとは思わない。そのことを嘲った最後の言葉。

こちらの世界と収容されたものが暮らす世界。どちらが欲に満ち溢れた世界なんだろう。そして、その世界に馴染んだ者は、互いのことを嘲ってこう言うのだ

あなた、マゾですねぇ

と。

OP主題歌:瞑想に堕ちる闇
ED主題歌:Endless ripples

両方とも電気式華憐音楽集団が担当している。
プレイ時間:20.5時間
正確に測っているわけではない。

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ストーリー

あの夢幻の世界が再び……
更にクオリティアップした多彩な‘いっぷ’(調教)と、快楽。
もうこの館から逃れることはできない……
平凡な少年‘たろ’は、ある日町で見かけた少女を好きになる。
その少女は、あるお屋敷で‘しろ’と呼ばれ、‘かとる’として生きていた。
そして、お屋敷に住む美しい四姉妹に勧められ、‘たろ’も大好きな‘しろ’と共に‘かとる’として様々なことを体験することになる。

登場人物

たろ

本作の主人公。幼く、美少女のような繊細な顔立ちをしている。
その容姿から想像出来る通り大人しく、少々気弱な性格だが、それ以外に取り柄というものは特に無い、ごく平凡な学生。
ある日、偶然か、運命か…街で出遭った「しろ」に一目惚れしてしまい、「しろ」が通っているお屋敷に通うことを決める。
それからは、放課後になるたびに家へ直帰せず、お屋敷に通う生活を送る。
どこか普通とは違うお屋敷で、彼が見つけ出すのは、
「しろ」との幸せな生活なのか…それとも……。

しろ

お屋敷に住んでいる謎の少女。
口数が少なく、あまり感情を外に出すことが無いが、お屋敷に来た直後は「たろ」のことをよく気にかけたりし、優しい一面も時折見せる。
普段の生活では存在感が薄いため、外の世界では彼女の存在自体を覚えている人間は少ない。

奈菜香

お屋敷に住まう四姉妹の長女。
四姉妹の中では一番年上なのだが、我侭を言ったり、落ち着きが無かったり、普段の言動から子供っぽいところが垣間見える。
そのためか、他の姉妹からは『頼りない姉』として見られている。
四姉妹の中では比較的、四女の薫子と仲が良く、一緒にいることも多い。
薫子の友達が来たときには、年が離れているにもかかわらず、混じって遊ぶことが殆どである。
「たろ」のことは必要以上に可愛がろうと思ってしまい、無茶な行動を起こすこともしばしばある。

百合絵

お屋敷に住まう四姉妹の次女。四姉妹の中で実質的リーダーの役割を負っている。
いつも男物の服を着たボーイッシュな少女で、オーバーリアクションが多く、他人を挑発したり、芝居がかった言動をとる。
他人には意地悪を働くことが多く、楽しんでは盛大に笑っているがあまりにもあっけらかんとしているためか、陰湿な感じを受けることは無い。
普段はお屋敷にあるスポーツカーを乗り回している。
社会に出ている時間が一番長いためか、他の四姉妹よりも考えが現実的。

祐美子

お屋敷に住まう四姉妹の三女。屋敷の中では一番の常識人で、明るく落ち着きのある、まさにお嬢様といった女の子。
心優しいお嬢様であり、「たろ」や「しろ」の事を一番心配してくれる。
お屋敷で行われている『いっぷ』は激しい内容のため、優し過ぎる祐美子は自分では行えず、かわりにハナに行わせている。
四姉妹の中では、中立の立場におり、常識を持って判断する。
他の姉妹が無茶を言うことが多いので、大体は「たろ」達の弁護にまわることが多い。

薫子

お屋敷に住まう四姉妹の四女。
四姉妹の中で一番年下とは思えないほど、しっかりとした思考を持っている上、時折漂わせる雰囲気が妖艶なものであるためか、外見よりも大人っぽく見える。
一方、その思考とは裏腹に、独占欲が強く、極度のヤキモチやきである。
新しく屋敷に来た「たろ」を気に入り、自分たちも気に入ってもらおうと、執拗なまでに執着する。
四姉妹の中では長女と仲が良く、一緒に遊ぶことが多い。そのためか、奈菜香のことで薫子が替わりに怒る事もある。

ハナ

お屋敷で働くメイド。
いつも無愛想な顔をしているが、メイドとしては有能で、言いつけはそつなくこなす事が出来る。
「たろ」に対しては怒ることが多く、また、祐美子の代理で『いっぷ』を行うこともあり、怖い存在として認識されている。
その素性には、お屋敷との密接な関わりがあるようだが、決して自分から語ろうとはしない。

奥様

お屋敷に住まう四姉妹の母であり、このお屋敷の主人。
だが、みんなの前に姿を現すことはほとんどなく、普段何をしているかなどがわからない。
顔の半分がヴェールで隠れており、表情を伺い知ることも困難であることから、その殆どが謎に包まれている。

トモ

「たろ」のクラスメイト。少々気が強く、他人を小バカにするところがあるが、それ以外はいたって平凡な女の子。
しかし、強い口調とは裏腹に、「たろ」に気があるのか、会話の端々で「たろ」を心配する兆候が見られる。
お屋敷とは関係を持っておらず、ごくごく普通の生活をおくっている。


1のときのような排他的な趣とは異なり、「たろ」とトモの2人が出てくる。

各キャラEND

1段階目から3段階目は、それなりに鞭打ちや犬のように裸で四つん這いになり散歩(終わった後に人間として扱う)をしたりといった一応「人間」として扱っていた。
しかし4段階目の黒の日からは「犬そのもの」として扱われている。
しろが薫子から受けたお仕置きの拘束くすぐりシーンと、たろが百合絵から受けたバイオリンの弓をペニスに擦りつけられて達するというシーンは、さすがマゾゲーだ。とくに後者の方では蟻の門渡りの部分が痛くないか?wと思った。

奈菜香は、失明した「たろ」に義眼を買ってくださる優しい一面も見られた(?)が、歳不相応な言動も見られた。傷つき寝込んでいた「たろ」に絵を描いたり肉を与えるといった純粋な心が垣間見える。最後は彼女自身も「かとる」になり、一緒に終わりの時期を迎える。

百合絵は「たろ」にかとるがこの屋敷に2人もいる理由を考えてみると良い、と呟いた。

たろとしろ。2人は互いを意識するようになった。だが、そうすることで屋敷から逃げられなくするための方策ではないのかと僕は思った。あとは一方が駄目になってももう一方は壊れなないようにするためや、一方が傷つき倒れようとするが、矛先がもう一方に向かうのを阻止するため、過剰に頑張ろうとする。いわゆる、連帯責任っていうやつ。
五人組制度(五保制)と同じやね。
最後は、かとるである「たろ」に反逆され、今までいじめていた相手にされる身分となる。

祐美子は、たろを犬として扱うが、しつけは優しい。
他のお嬢様より「いっぷ」をすることを躊躇している。だが、それは表裏一体となるものなのだ。人として接しないからこそ、生まれる絆もある。主従関係か。

薫子
カオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキカオルコサマダイスキ
これいらないなら拾っていくわ……。


一番大人びた態度を取っている。

 勉強とは自分の目指すものがあってするもの。目的がないのなら、儀式と同じ。
言われたことを鸚鵡返しに答えるだけではでは家畜と同じ

といった言葉がその例だ。
しかし、その家畜になっている人が僕含めてどれほどいるのだろう。

BAD END

このゲームではBAD ENDが3シーンほど追加されている。

BAD END1

BAD END1はマゾヒズムの真髄を垣間見ることができるEndだろう。
マゾにとって、自分を躾けてくれる人物がいないことは世界の崩壊を意味することのではないか。
お嬢様が追ってこられないようにすると言ったハナは、屋敷に火をつけた。そして屋敷にいたお嬢様は行方知らずか、骨も残らない状態となったかはわからない。だが、犬になりきっていた「たろ」の精神は、お屋敷という居場所を無くし、精神がやつれていくことは必至のことであった。

BAD END2

薫子と奈菜香はお屋敷に来たときは、奈菜香は今と比べてもしっかりしていた。
特に、はきはきしゃべるし、「立派なレディー」になれるように切磋琢磨しているのは好感度が上がった。

カオルコサマダイスキ

人間は儀式というものに支配されている。そのことを自覚や無自覚にしていても関係なく。そこに義務という軋轢がある。
外の世界とお屋敷どちらが良いのかと聞かれたら、「お屋敷の中」と答えるのは必然なのだろう。外の世界の自宅を燃やした挙句、お屋敷に戻るがそこにはトモがメイドとなっていたという場面で終わった。

BAD END3

屋敷をハナにより放火され脱走したまではよかったのだが、やはり、お屋敷の洗脳からは逃れられずに、たろは、コンクリートブロックを手に取り、彼女を殴り殺しにした。求めていない救済は、ただのおためごかしにしかすぎず、却って対象への愛を増幅させる。

そして、「たろ」と「しろ」は元あった屋敷の廃墟に新たな屋敷を作り、永遠のときを生きる。
わたしが奥様となり、死ねば燻製となる。
「しろ」の語りが妾なのにルビで「わたし」となっていたのかが分かった。

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